米国育ちで中国代表の谷愛凌(アイリーン・グー)がミラノ・コルティナ五輪で金メダルなしに終わった。欧米メディアからは意地悪な質問も飛んだが、「私は史上最も成功した女性フリースキーヤー」と胸を張った。

バンス米副大統領の「米国代表で」との注文にもモデルなどとして年間2300万ドル(約36億円)も稼ぐ22歳はわが道を行くだ。

谷愛凌は米サンフランシスコ生まれで父親が米国人で母親は中国人。幼少期からスキーを始め、2019年に15歳で中国国籍に変更して22年の北京冬季五輪にフリースタイルスキー女子の中国代表として出場し、金メダル2個、銀メダル1個に輝いた。美貌と相まって中国国内ではアイドル的な人気を集めている。

今回はフリースタイルスキー女子のスロープスタイルとビッグエアで銀メダルをそれぞれ獲得したものの、金には届かなかった。代表選択をめぐって米国内で「裏切り者」と非難の声もある谷愛凌には競技終了後の記者会見で、欧米メディアから「2個の銀メダルを獲得したと思うか、2個の金メダルを失ったと思うか」との質問があった。

中国国営英字紙「チャイナデイリー」などによると、彼女は「それはばかげた見方だ」とし、「私は史上最も成功した女性フリースキーヤーだ。それ自体が答えだと思う」と反応。「どんな22歳も経験するべきじゃないさまざまなことを経験した」「誹謗(ひぼう)中傷や物理的な攻撃まで、なんでもあった」と衝撃的な告白をした。

金メダルなしもわが道を行く、米国育ちで冬季五輪・中国代表の谷愛凌、モデルで年収36億円
谷愛凌選手

さらに「私は強くなった。若さの良いところは、それに対応してそこから学び、強くなれること」と自身のマインドセットを説明。競技については18歳時から技術面で向上することはないのではないかと思った時期もあったとしたが、「それを克服して五輪の舞台で最高の滑りができたことは特別な体験」と語った。

今回の大会で米国代表選手のトランプ政権批判が目立つ中、バンス副大統領は谷愛凌についても「米国で育ち、教育制度や自由、権利の恩恵を受けた選手は米国のために競技すべきだ」とやり玉に挙げていた。谷愛凌は過去に「米国にいるときは米国人、中国にいるときは中国人」と発言。物議を醸したこともある。

16歳の時に中国で六つの異なるファッション誌の表紙を飾り、モデルとしても活躍している谷愛凌。米国西海岸の名門、スタンフォード大の学生とされ、文武両道を貫いている。26年の年頭時点で中国のSNS「微博」(ウェイボー)のフォロワー数は700万人以上を誇り、インフルエンサーでもある。米経済誌「フォーブス」は年間2300万ドル稼ぐとも紹介している。(編集/日向)

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