2026年2月20日、中国メディア・中国新聞週刊は「新エネルギー車は毎年替えるのか?」と題し、中国の電気自動車(EV)市場において買い替えサイクルが従来のガソリン車と比べて大幅に短縮され、自動車消費の生態が根本から再構築されつつあることを報じた。
記事はまず、テスラ購入経験を持つプログラマーの父親や、ほぼ毎年乗り換えるファッション系インフルエンサーの事例を紹介。
また、25年12月の中古車取引では車齢3年以内が28.74%、3~6年が42.97%と、両者合計で7割を超えていることを報告し、短サイクルの買い替え傾向を数字の面からも裏付けた。
その上で、買い替えサイクル短縮の背景として「EV市場の電子製品化」があると分析。25年には230車種以上の新車が集中発売され、9月だけで70車種以上が発表されたこと、車種の開発サイクルも従来の36~48カ月から12~18カ月へと大幅に短縮されていることを挙げ、半年に一度のマイナーチェンジ、一年に一度のフルモデルチェンジが常態化していると解説した。
記事は、市場全体の目覚ましい活力にも触れ、25年の中国の自動車販売台数が前年比9.4%増の3440万台と過去最高を更新したことを紹介。中国電動汽車百人会の欧陽明高(オウヤン・ミンガオ)副理事長が、35年には国内外の年間販売台数が3000万台近くに達し、保有台数は2億~3億台に上ると予測したことも伝えた。
また、新車市場の盛況と同時に中古車市場の構造変化が進んでいるとし、25年の中古車累計取引量は2010万8000台(中国自動車流通協会のデータ)と16年の1039万台から10年で倍増し、中国市場が「新車+中古車」の共同推進段階に入ったと分析。同協会の羅磊(ルオ・レイ)副会長が「保有台数の拡大が中古車市場に強力な『プール』を提供している」と述べたことも紹介した。
さらに、消費層の若年化も買い替え頻度を押し上げる大きな要因になっていると指摘。動画共有サイト「ビリビリ」と中国中央テレビ(CCTV)の共同研究データとして、初めて車を持つ平均年齢が30.5歳に低下し、特に「00後」(2000年代生まれ)世代は大学卒業と同時に車を所有する傾向にあると紹介した。
そして、25歳の「00後」オーナーが「私たちの世代にとって車は単なる交通手段ではなく、『デジタルな大型おもちゃ』だ」と率直に語ったことを引用し、スマートなインターフェース・技術装備・デザインが彼らの選択基準になっていると解説した。
記事はその上で、市場活性化の背景には「購入コストの下落」「技術反復の加速」「政策の継続的な優遇」という3つの構造的要因があると説明。
技術面では、車種の開発サイクルが12~18カ月に短縮されたこと、かつてハイエンド車のみの装備だった800V高圧プラットフォーム充電や都市型NOA(自動運転支援)が今や30万元(約674万円)以下の一般家庭向け車種にまで普及したことを挙げている。
政策面では、今年施行された消費品買い替え政策により、EVが最短6年で国の廃車補助金の対象となり、買い替えコストが一段と低減されたと説明。3年乗っても60%以上の残価を保証するといった各メーカー側のプログラムも買い替え意欲をさらに押し上げていると伝えた。
記事は一方で、急速な変革に向き合う市場が消費者と業界の「理性的なバランス」を模索していることにも言及。嵐図汽車の盧放(ルー・ファン)CEOが「真のイノベーションは単に速度を追求すべきではない。自動車本来の価値は高い安全性・信頼性・耐久性にある」と強調し、半年以内に新機能が追随しなければ市場から忘れられかねない競争環境の特異さを指摘したことを紹介している。
記事は最後に、EVの買い替えサイクル短縮は技術の進歩と市場の活力の証左であり、消費市場は「あるかないか」から「良いか悪いか」へのアップグレード段階に入ったと総括しつつ、中国の自動車産業は「速度」と「安定性」のベストなバランスを模索し続けているところだと結んだ。(編集・翻訳/川尻)











