2026年2月23日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、ロシアの「幽霊艦隊」に所属するタンカーの中国人船長がフランスで執行妨害罪に問われた裁判で、検察が懲役1年、罰金15万ユーロ(約2780万円)を求刑したことを報じた。

記事は、フランスのブレスト検察院が、タンカー「ボラカイ号」の船長(39)に対し、法執行命令への不服従を理由に最高刑を求刑したことを紹介。

副検事のガブリエル・ローラン氏が、現在も洋上にある船長への逮捕状の発行を裁判所に請求したことも伝えた。

そして、事件の経緯について船長が昨年9月27日にウエサン島沖の国際水域で仏海軍によるタンカーへの臨検を拒否したとして起訴されたことに言及。当時この船は偽造のベナン国旗を掲揚しており、デンマークの航空交通を妨害したとされるドローン事件との関連が疑われていたことにも触れた。

また、検察代理人が、船長の「明らかな非協力」によって仏海軍が「事故を誘発しかねない危険な操作」を強いられたと指摘していることも紹介。船内にはロシアの民間警備会社が雇用した元ワグネル・グループ所属者を含む2名のロシア人警備員が乗船していたことも明かされたと報じている。

記事は一方で、弁護側がフランスの司法管轄権そのものに異議を唱えており、弁護士のアンリ・ド・リシュモン氏は、事件が国際水域で発生したため船長をフランスの裁判所で裁くことは不当であり、国連海洋法条約(モンテゴ・ベイ条約)が適用されるべきだとの見解を示したことを紹介した。

また、弁護側が罪状の事実関係についても「停船命令は出されていなかったため、命令への不服従は存在しない」と反論し、船長はフランス海軍の乗船を許可する前に船主の同意を得る必要があったと主張したことを伝えている。

記事は、「ボラカイ号」が拿捕(だほ)から5日後に再出航し、現在はロシア国旗を掲げて中国の港付近に停泊していると紹介。西側諸国の対露石油制裁を回避するためにロシアが利用している船舶群「幽霊艦隊」の一つとみられていることを説明し、判決は3月30日に言い渡される予定だと報じた。(編集・翻訳/川尻)

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