中国で人工知能(AI)を活用したアニメ形式の短編ドラマ「AI漫劇」市場が急拡大しています。字節跳動(バイトダンス)がこのほど発表した動画生成モデル「Seedance2.0」を契機に、制作の自動化が一段と進み、「一人一制作チーム」時代の到来が現実味を帯びてきました。
中国の調査会社、艾媒咨詢(iiMedia Research)の「2025-2026年 中国AI漫劇業界動向白書」によれば、2025年の中国アニメ短編ドラマ市場規模は前年比276.3%増の189億8000万元(約4300億円)に拡大しました。2030年には850億元(約1兆9000億円)超に達する見通しで、資本市場でも有望な新興分野として注目を集めています。
こうした中、IT大手の参入が相次いでいます。先行するバイトダンスは巨大なユーザー基盤が強みです。百度(バイドゥ)は「柚漫劇」と「七猫漫劇」の2本立てで市場を開拓しています。そして今月、騰訊(テンセント)も「火龍漫劇」を正式投入し、競争は“三国志”さながらの様相を呈しています。
テンセントの火龍漫劇は「追番コミュニティー」を掲げ、単なる視聴アプリではなく、交流や長期利用を促す設計を打ち出しました。ランキングや更新カレンダーを整備し、定期視聴の習慣化を図ります。また、自社IPや外部制作会社との提携を通じてコンテンツ供給を強化します。
一方、百度は創作者向けの資金・トラフィック支援策を打ち出し、IP資産の活用を加速しています。各社の戦略は、単なる再生数競争ではなく、IP備蓄の厚み、技術力、エコシステム連携を含む総合力の勝負へと進化しています。











