香港のニュースサイト・香港01に25日、「日本が巨費を投じて深海のレアアースを採掘するのは『金を海に捨てる行為』なのか、それとも『備えあれば憂いなし』なのか」との記事が掲載された。

記事は、日本が先日、南鳥島沖の水深約6000メートルの海底からレアアースを含む泥の試掘に成功したことを挙げ、「これは日本が海底のレアアースによって巻き返すということを意味するわけではく、一種の工学的実証に近い。

理論上、日本にはこのような極限の深度から物を引き揚げる能力があるということを証明しただけだ」と論じた。

その上で、SNS上では、第2次世界大戦末期、石油の供給が途絶えて追い詰められた日本が松の根から油(松根油)を搾って航空機や車両の燃料に使ったというエピソードになぞらえる声もあると紹介し、「これは、明らかに採算が合わないと分かっていながら『国にとって必要』という言葉で包まれたプロジェクトをまたやろうとしているのではないかという問い掛けである」とした。

そして、「一般の納税者の立場に立てばこのような疑問は自然なものだ。レアアースは日本固有のものではない。オーストラリアには陸上鉱山があり、米国やベトナムにも存在する。中国は日本への供給を完全に停止しているわけではなく、(輸出管理対象外の)日本企業もレアアースを購入できる。それなのになぜ、これほどの巨費を投じて深海6000メートルまで手を伸ばす必要があるのか。しかも、環境面や技術面でのリスクを負う必要があり、採算が合うかという観点から見れば、どう考えても割の良い商売ではない」と指摘した。

一方で、「日本がこの計画を推進する理由は、割の良い商売かどうかというだけではない」とし、「まず日本政府はこのプロジェクトの位置付けを終始抑制的に発信している。『既存の供給源の代替』といった表現はほぼ見られず、『技術的な実行可能性の検証』と慎重な姿勢を強調している。現段階の重点は、いかにして深海から長期的かつ安定的、安全に回収・処理・輸送ができるかということを確認することにある。これは工学的な検証であり、生産量を競うものではない」と論じた。

記事は、日本における深海レアアースの位置付けは「万が一何かが起きた場合にまだ退路(打つ手)があるのか」というものに近いと言及。「これは中心的な計画でも、今すぐに使うというものでもなく、極端な状況下で日本が技術的に完全に手詰まりにならないことを確認するためのものだ」と指摘し、「その答えが『完全に不可能』ではない限り、この取り組みは一定の意味を持ち、日本にとっては一種の安心感につながるのである」と論じた。(翻訳・編集/北田)

編集部おすすめ