台湾の情報機関の国家安全局(国安局)は23日、国民党政権下で1949~87年の38年間続いた戒厳令時代の政治的公文書について、全て機密指定を解除した、と発表した。規定に基づいて全ての内容を黒塗りせずに公開するとした。

台湾メディアが伝えた。

台湾の戒厳令は中国共産党との第二次国共内戦当時の1949年5月20日、蒋介石政権によって施行された。共産主義者の取り締まりなどが主な目的で、これにより市民の自由は大きく制約された。

解除されたのは1987年7月15日。同年6月、米国下院は戒厳令の解除と結党禁止の廃止、言論の自由などの民主化の加速や立法府の改選による民意に沿った政府の実現を求める「台湾民主決議案」を可決。これを受け、蒋介石氏の死後に総統となった長男の蒋経国氏が関連法案の整備を待ち解除した。

史上最長とされる38年間に何人が逮捕・投獄され処刑されたのか、正確な資料はない。1998年から2014年まで設置された補償基金会の調査によると、死刑は809人。国防部(国防省に相当)は05年、逮捕者は約1万6000人と報告した。

台湾・中央通信社が紹介した国安局の報道資料によると、同局は24年11月から、戒厳令時代を含む1992年以前の全ての公文書を自主的に点検した。まず56万6415件の公文書を点検し、結果と目録を公文書の管理などを担当する国家発展委員会档案管理局に提出した上で、政治的公文書として認定された5万1133件を1件ずつ精査し、機密指定の解除と電子化を行った。

資料の実物と画像や映像の電子データは23日までに全て档案管理局に移管された。

国安局は機密指定が解除された公文書には「戒厳令時代における情報機関の業務、出入境管理、海外の台湾独立団体の活動、反乱事件関係者の資料や判決書などが含まれる」と説明した。

その上で「政治的公文書の公開は真相究明や歴史の解明、社会の和解促進にとって極めて重要だ」と言及。台湾の民主主義発展の歩みと国家の歴史的記憶が継承されていくよう期待を寄せた。(編集/日向)

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