台湾メディアのi商周はこのほど、タイ政府が国全体を対象とする「減糖作戦」に着手した話題を紹介した。
タイは「アジアで糖分が入った飲料が最も多く飲まれる国の一つ」と言われる。そのタイで政府が国民全体の甘さの基準を調整することによる「減糖作戦」に乗り出した。2月11日から、大手飲料企業9社がタイ保健省と協力し、飲料の糖分についての新基準を導入し、「普通の甘さ」と表示される飲料の場合、糖分含有量を従来の50%に引き下げた。
熱帯に位置するタイでは、人々が飲料に大量の氷を入れる習慣がある。その飲料の口当たりを良くしようと、糖分の多い飲料を好む人が多い。飲料を提供する店では、商品に「無糖」「糖分3割」「糖分7割」「全糖」と表示されており、さらには「より甘い」と表示された商品もある。
糖分の摂取が多い場合には炭水化物全体としては摂取総量が同じでも、血中糖度の乱高下などにより健康に影響が出やすいとされる。また、でんぷんが分解された場合にはすべてが人にとって消化がより容易なブドウ糖になるが、砂糖ではその半分が肝臓に対する負担が大きな果糖になる。
タイ保健省によれば、タイ人は平均で、世界保健機関(WHO)の推奨する量の3倍を超える、毎日ティースプーン21杯分の砂糖を摂取している。このような習慣はタイ人に深刻な健康問題をもたらした。タイ保健省によると、2025年時点で、15歳以上のタイ人のうち約45%が肥満に属し、全国で約10%の人が糖尿病を患っている。
タイでは近年、肥満や糖尿病、心血管疾患などの慢性非感染性疾患が公衆衛生での負担を増やし続けている。そして、糖分摂取を減らすことで発病リスクを低下させられると考えられる。タイ政府はこのような状況を受け、新たな糖分摂取の規制により「爆糖時代」に別れを告げようとしている。
今回の政策の特徴の一つは行動経済学の考えを応用して、消費者にとっての「デフォルトの選択」を調整することで、消費者が「自主的な選択権を奪われた」との感覚を持たないようにした。また、消費者にとって最も何も考えずに注文しやすい「普通の甘さ」の場合の糖分量を減らせば、「持続可能な糖分摂取減」が成り立つと期待できる。
タイ保健省はさらに、糖分の摂取を減らすことの利点は非常に多く、例えばコラーゲンを保護して皮膚の老化を遅らせるのに役立つこと、血糖値の乱高下を避けてエネルギーバランスと集中力を改善すること、腹部脂肪と腹部膨満を減少させることなどがあると説明している。
タイ公共保健省衛生局によれば、店で作って提供する飲料約500ミリリットルの場合、コーヒーにこれまで含まれていた砂糖は平均でティースプーン約7.3杯分だったが、調整後は約3.7杯分に減る。タイ式ミルクティーやアイスレモンティーなどはこれまでの約6.6杯分が、3.3杯分に減る。この「半糖作戦」にはカフェチェーン9社が参加した。
タイ政府はこれまで、糖税を課すことでも企業に対して「減糖」を迫ってきた。導入は17年で、税率は段階的に引き上げて25年4月には最終段階の4回目の税率にまで引き上げられた。バンコクに本部を置くマヒドン大学のポッチャナー・ハンチャーンシット助教は、糖税はすでに初歩的な成果を見せており、その中で最も明らかな影響は製品処方の調整であり、多くの飲料メーカーが高い税負担を避けるため、自ら糖分の含有量を引き下げたと説明した。
しかし、人々の間では、政府の減糖政策に批判的な声が出ている。バンコクの旧市街でカフェを30年以上経営してきた女性のニドさんは、飲料の糖分を減らさなければならないことに納得していない。ニドさんは取材に対して、「甘い味の飲料に人気があるのは味が濃厚だからです。砂糖を加えなければコーヒーや茶は味気がなくなって、しかもとても苦くなります」と率直な意見を披露した。(翻訳・編集/如月隼人)
— 中国動画 (@RC00547555) March 1, 2026











