仏国際放送局ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)中国語版は3日、中国による厳しいレアアースの輸出規制にさらされた日本が、「対中ゼロ依存戦略」を進めていると報じた。
中国商務部は2月24日、三菱造船など日本の20の企業・団体を軍民両用品(デュアルユース品)輸出規制リストに追加したと発表した。
そして、「中国による対日レアアース輸出管理の厳格化に日本はどう対応するのか」とし、「現在、日本はさまざまな取り組みを進めており、2028年までに一部のレアアースについて中国への『ゼロ依存』を目指している」と伝えた。
記事は一つ目に海底レアアース資源の開発を挙げ、「海洋研究開発機構(JAMSTEC)の探査船『ちきゅう』が水深約5600メートルでレアアースを含む深海泥の試験採取に成功し、同海域には約1600万トンが存在すると推定される」とした。
一方で、「深海で泥を安定的に吸い上げる技術や超高圧下での自動制御、長距離パイプラインの耐久性確保などで課題もある。商業化には1日3500トン規模の採取が必要なほか、分離・精錬や輸送にかかるコスト、環境負荷への懸念も大きい」と指摘した。
二つ目に都市鉱山を挙げ、「人々が廃棄した家電製品からレアアースを含むネオジム磁石を回収・抽出する取り組みを進めており、磁石を溶解せずに直接再加工する技術開発にも積極的に取り組んでいる」と説明した。
また、「東南アジアなど第三国の都市鉱山を活用する構想もある。新興国や発展途上国には廃棄された電子機器が大量に存在するが、抽出・再利用の技術が不足している。日米豪印などが協力して技術を提供して、調達の安定化を図る方針だ」と伝えた。
三つ目に供給源の多角化を挙げ、「資源国との2国間・多国間協力を強化し、代替供給ルートの確立を進めている。南アフリカ、チリ、豪州、フランスなどとの枠組みを拡充し、民間でも商社が豪州鉱山会社からの重レアアース輸入を拡大中だ」とした。
また、「政府はアフリカでの鉱山開発を推進し、28年末までに一部レアアースで『対中依存ゼロ』を目標にしている。
記事は、「レアアースは軽希土類と重希土類の17元素に分かれ、前者は比較的豊富だが後者は希少で中国依存が大きい。10年の尖閣諸島での中国漁船衝突事件後の禁輸を機に調達先の多角化を進めたが、代替できたのは主に軽希土類で、重希土類は依然として中国依存が続いている」と解説した。
そして、重希土類の代表的なものにジスプロシウムを挙げ、「ハイブリッド車や電気自動車(EV)に搭載される高性能磁石は、高温環境でも性能を維持する必要があり、そのためにはジスプロシウムが不可欠とされる。技術革新によって1台当たりの使用量を削減することは可能だが、EVの普及拡大に伴い、総需要を大きく減らすことは難しいとみられている」とした。
また、ジスプロシウムはほかにもレーザー、原子炉、コンピューターのハードディスク、コージェネレーションエンジンなど、さまざまな先端技術分野で不可欠な素材となっていることに触れた上で、「現在、重希土類はほぼ全量を中国が生産している。中国は、採掘だけでなく分離・精錬工程までを国内で一貫して行う体制を整えている点に大きな強みがある」と指摘した。
記事は、米国もレアアースを国家安全保障の重要課題と位置付け、戦略投資や同盟国との連携を通じて調達先の多極化を進めていること、昨年にはトランプ大統領と高市早苗首相が会談し重要鉱物・レアアースの安定供給確保に関する合意文書に署名したこと、日米豪印(クアッド)が「重要鉱物イニシアチブ」を打ち出し鉱山や精錬施設への共同投資、調達・加工・流通の分散化を推進していることなども紹介した。
そして、「日本は10年の対日禁輸を機に、供給源の多角化、代替技術開発、戦略備蓄、資源回収を柱とする戦略を進め、中国への依存度を約9割から(一時)約6割へと低減させた。今後もこの『組み合わせ戦略』を強化し、重要鉱物の対中依存を一段と引き下げる方針だ」と伝えている。(翻訳・編集/北田)











