2026年3月4日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、全国人民代表大会(全人代)の開幕を前に、中国の経済が国有企業の需要低迷と私営企業の輸出回復という相反するシグナルを発していると報じた。
記事は、金融データプロバイダーのRatingDogとS&Pグローバルが同日発表した2月の民間製造業購買担当者景気指数(PMI)が52.1に上昇し、2020年12月以来の最速の伸びを記録したと紹介。
一方で、中国国家統計局が発表した2月の公式製造業PMIは49.0と前月比0.3ポイント低下し、4カ月ぶりの低水準となったことにも言及。公式調査が大型国有企業を主な対象とするのに対し、民間調査は輸出志向の私営企業をより多く反映しているため、国内需要の低迷と輸出の好調という「二極化」の構図が鮮明になったと評している。
記事はその上で、輸出回復にも新たな地政学リスクが影を落としていると指摘。2月28日の米国・イスラエルによるイランへの攻撃やホルムズ海峡閉鎖の脅威、さらには東アジア・東南アジア市場の弱体化がグローバルサプライチェーンを揺るがしており、エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)のエコノミスト徐天辰(シュー・ティエンチェン)氏が「海峡閉鎖が3~4カ月以上続けば、どの国にとっても悪夢であり、中国も例外ではない」と述べたことを伝えた。
また、地政学リスクの高まりにより、輸出依存から内需主導型への転換を迫る圧力が一段と強まっているとも分析。5日に開幕する全人代では、李強(リー・チャン)首相が「第15次五カ年計画」(2026~2030年)を発表する予定で、内需喚起に向けた一連の措置が盛り込まれる見通しだとし、国内消費の底上げに向けた具体策への期待が高まっていると報じた。(編集・翻訳/川尻)











