米国とイスラエルがイラン攻撃に踏み切り、戦火が中東全体に拡大する中、米CNNは「大損するのは中国の可能性が大きい」との分析を伝えた。わずか2カ月足らずで、米トランプ政権は中国の最も緊密な同盟国のベネズエラ、イラン2カ国を排除し、その過程で中国の原油供給を脅かしている、との理由だ。

ベネズエラのマドゥロ大統領は1月に米国に拘束された後、今度はイランの最高指導者ハメネイ師が米国とイスラエルの攻撃で死亡した。この二つの軍事行動について、CNNは「中国から南米と中東における戦略的パートナーを奪っただけでなく、同国にとってはるかに重要なもの、つまり石油をも脅かしている」と断じた。

ベルギーのデータ分析企業ケプラーによると、ベネズエラとイラン両国は原油の大部分を中国に供給しており、昨年にはベネズエラの原油輸出の半分以上、イランの原油輸出のほぼ全量が中国に流入したとみられる。

米コロンビア大学世界エネルギー政策センターのデータに基づきCNNが算出したところ、ベネズエラ、イラン両国の合計は中国の原油輸入量の約15%を占めている。

エネルギー分野に特化した米国の資産運用会社、トータス・キャピタルのポートフォリオ・マネジャー、ロブ・サメル氏は「イラン紛争において中国が大損を被る可能性があるとの見方を示した。中国の原油生産量は消費量をはるかに下回っているためだ。

サメル氏は「価格上昇は経済成長に影響を与える可能性があるが、中国は原油輸入に依存して経済を動かし続けているため、物理的な供給のほうがさらに重要だ」とも語った。

原油供給の混乱に加え、ホルムズ海峡が閉鎖・遮断された場合、中国をはじめとするアジア諸国は物流上の課題にも直面する可能性がある。同海峡はサウジアラビアやクウェートなどの湾岸諸国からの重要な原油輸送ルートだ。

イランの国営メフル通信は、1日にホルムズ海峡の「無許可通航」を試みたタンカーが攻撃を受け、損傷のため沈没していると報じた。イランはホルムズ海峡の北側を支配しており、米国との紛争時には同海峡の通航を遮断すると脅してきた。アナリストらはホルムズ海峡の封鎖や大規模な混乱は、深刻な世界的エネルギー危機を引き起こすと警告している。

CNNは「中国の王毅外相は米国とイスラエルによるイラン攻撃を『容認できない』とし、主権国家指導者の露骨な殺害と体制転換の扇動を非難した。しかし、中国政府は今のところ、潜在的な経済的影響については発言していない」とも紹介した。(編集/日向)

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