米国とイスラエルがイラン攻撃に踏み切り、戦火が中東全体に拡大していることに韓国紙が危機感を募らせている。韓国は日本と同様に中東産原油に大きく依存しているためで、「事態長期化に備え、政府と企業の双方が段階別の対応計画を綿密に練り、被害を最小限に抑えることに全力を注ぐべき時だ」と訴えた。

中央日報は社説で「年初の米国によるベネズエラのマドゥロ大統領拘束に続く今回の軍事作戦は、全世界に大きな衝撃を与えた」と指摘。「トランプ米政権が自国の利益のためなら国際法的手続きや議会報告も省略していつでも軍事的介入をするという『米国優先主義』の極端を如実に表したからだ」と論評した。

社説は「テロ支援国の首長除去という名分にもかかわらず、世界は今、法治と規範が消えたところを力の論理が支配する冷酷な国際秩序の素顔と向き合っている」と記述。「李在明(イ・ジェミョン)大統領も1日の三一節(独立運動記念日)の演説で「第2次世界大戦後の約80年間に確立された国際規範は力の論理によって深刻に脅かされていると述べた」と紹介した

続いて「安全保障や通商などあらゆる面で対外依存度が高い韓国の立場で、予測不可能な米国の独断的行動とこれによる国際秩序の崩壊は安保と繁栄の基盤を揺さぶる実存的恐怖だ」として、「何よりも火急の用はイランが宣言したホルムズ海峡の封鎖だ」と危惧。「韓国は原油の70%、液化天然ガス(LNG)の20%を中東に依存しており、このうち95%がホルムズ海峡を経由する。海峡封鎖が長期化する場合、韓国経済も直撃弾を受けるほかない」と警鐘を鳴らした。

急騰している国際原油価格も懸念材料に挙げ、「事態発生後、国際原油価格は2桁上昇して1バレル当たり80ドルに肉薄しているが、分析機関は不安が長期化する場合、100ドルをはるかに超える可能性があるとの警告も出している」と述べた。

さらに「イラン内の強硬派が結集して対米抗戦に動く場合、軍事力では米国に劣勢だが、中東・欧州内の米国目標物を狙った非正規戦やテロなどの事態は長期的な消耗戦になるおそれがある」と予測。過去に米国がイラクとアフガニスタンの戦争を終結する過程で支払った莫大な人命被害と天文学的な費用の教訓を忘れてはいけない」と回顧した。

その上で中央日報は「韓国企業が中東諸国と進めていた国家的プロジェクトも、短期的には支障が避けられなくなる可能性がある」とも言及。「半導体超好況に支えられて輸出が拡大し、株式市場が沸き立っていた韓国経済にとっては大きな突発変数に直面した格好だ。当面、国際金融とエネルギー市場の変動性は大きくならざるを得ない」と憂色を深めた。

(編集/日向)

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