2026年3月1日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、米国・イスラエルによるイラン攻撃に関連して、専門家が予測するイランの体制移行に関する3つのシナリオについて報じた。

記事は、攻撃開始から数時間後にイランの最高指導者ハメネイ師の死亡が伝えられたものの、イラン政権は依然として機能していると紹介した上で、戦後のイランがたどりうる道筋について、専門家の分析を基に3つのシナリオを提示している。

第1のシナリオは「ベネズエラ・モデル」だ。記事は、独シンクタンク・ドイツ外交政策協会の専門家コルネリウス・アデバール氏が、後継者選びを契機に革命防衛隊を基盤とする新指導部が樹立され、米国に和解の姿勢を示す可能性があると分析したことを紹介。最高指導者が交代するだけで既存の権力機構は維持され、変化は予想より小さいものにとどまるとの同氏の見方を伝えた。

そして、トランプ米大統領が米紙ニューヨーク・タイムズに対しベネズエラで最高指導者のみを交代させた手法を「完璧なシナリオ」と評価したことも併せて紹介している。

第2のシナリオでは、ハーバード大学ケネディスクールの専門家ペイマン・アサザデ氏が唱える「再調整された継続性」に言及。専門家会議が実務主義者を後継者に任命した場合、内政では経済再建や政治改革、外交では衝突の緩和に重点が移るという見解を紹介した。

そして第3のシナリオでは、既存体制がより強硬な保守派を中心に結集し、イデオロギーを強化する可能性を指摘。英紙ガーディアンのジュリアン・ボーガー記者が、生き残った指導部にとって核兵器が体制維持の唯一の保障であり、孤立・恐慌・核武装化という「北朝鮮型」に向かう恐れがあると警告したことを伝えている。

記事はさらに、イランの革命防衛隊と国軍の間に亀裂が生じた場合、スーダンのような内戦に発展するリスクがあることにも触れ、多民族社会であるイランでは分離主義勢力が権力の空白を突く危険性もあり、新たな政治秩序の構築は極めて困難であると評した。(編集・翻訳/川尻)

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