2026年3月5日、中国メディアの第一財経によると、中国自動車大手の奇瑞汽車(Chery)が今年初めてSUVの値上げを発表した。

奇瑞汽車はSUV「EXEED(星途)ET5」のうち、レーザー光を使用したリモートセンシング技術「LiDAR(ライダー)」を搭載したハイスペックモデルを5000元(約11万2500円)値上げすると発表した。

値上げ後の価格は16万4900元(約371万円)となる。

25年11月にリリースされた「EXEED ET5」にはLiDAR搭載モデルと非搭載モデルの2種類が存在する。搭載モデルは15万4900元(約349万円)、非搭載モデルは14万4900元(約326万円)だった。LiDAR搭載モデルについてはリリース当初、高性能インテリジェント運転支援システム「猟鷹智駕(Falcon Intelligent Driving)700」の都市型NOA(自動運転支援)が永久無料で使用可能とされていたが、今回の値上げにより、ユーザーは5000元を支払うことで、「猟鷹智駕700」システムやホライズン・ロボティクス製「征程6P」チップ、永久イテレーション権などを含む「完全スマートパッケージ」を購入できる。このパッケージの原価は2万8800元(約64万8000円)だという。

価格競争過熱の自動車業界に変化か、今年初の値上げ―中国

記事は「今回の価格調整の背後にはチップ価格の高騰など一連の要因が存在するが、ブランドが長期的な戦略に基づき自ら選択した点が重要だ。今回の価格調整は、長期的な研究開発への投資や製品の品質、ユーザーサービスの安定と継続を保障すると同時に、ユーザーに信頼感のあるハイプライスな体験を提供することを目的としている。2年近くの価格戦争を経て、ついに値上げという手段でサプライチェーンのコスト圧力に対処しようと試みる自動車メーカーが現れた」と指摘した。

続けて「EXEEDブランドの選択は業界全体が直面する圧力を反映している。業界全体のデータを見ると、25年下半期から車載メモリチップの価格高騰が明確になった。UBSグループによると、直近3カ月で車載DRAM全体の価格は180%上昇した。調査会社の集邦諮詢やトレンドフォースの統計では、車載DRAMのDDR4メモリの値上げ幅は累計で150%以上となり、DDR5メモリの価格は300%も高騰した。

HSBC銀行が発表した研究レポートによると、金属やメモリチップなど原材料価格の急上昇が短期的に自動車メーカーへコスト面での圧力をもたらすのは明らかで、メモリチップの値上げは1000~3000元(約2万2500~6万7500円)のコスト上昇をもたらし、電気自動車(EV)のコスト構造に直接的な打撃を与える。今年に入ってから、蔚来汽車(NIO)や理想汽車、シャオミ(小米)など多くのメーカーのCEOがチップ値上げによるコスト圧力への懸念を示す発言を頻繁に行っている」と伝えた。(翻訳・編集/原邦之)

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