2026年3月9日、香港メディア・香港01は、中東情勢の悪化でドバイの航空機能がまひし、多数の中国人観光客が帰国困難に陥っていると報じた。

記事は、米国とイスラエルによるイランへの軍事攻撃を受け、ペルシャ湾の航空ハブであるドバイが周辺国の相次ぐ領空閉鎖により航空網のまひに陥ったと紹介。

フライトの度重なるキャンセルや航空券価格の高騰に加え、空襲警報の中で緊急避難を強いられる事態になったと伝えた。そして、ドバイに滞在していた中国人観光客の劉怡(リウ・イー)さんの体験を詳しく取り上げた。

記事によると、劉さんは2月27日にドバイへ到着した直後、夜間に警報が鳴り響き、駐車場への避難を余儀なくされた。ホテルに2日間閉じこもった後も精神的なトラウマが残り、飛行機のような音を聞くだけで恐怖を感じる状態が続いたという。

劉さんは帰国のため数十回にわたり予約を試みたものの7回ものフライトキャンセルに見舞われ、最終的に5万4000元(約123万円)を投じてファーストクラスの航空券を購入し、3月6日夜にようやく北京にたどり着いたという。

ドバイで足止めの中国人観光客、120万円のファーストクラスで帰国―香港メディア
ドバイ国際空港

記事は、民用航空専門家の郭佳(グオ・ジア)広東外国語対外貿易大学南国商学院教授が、ドバイはペルシャ湾の中心に位置し、周辺国が米軍基地の存在を理由に次々と領空を閉鎖したことが今回の混乱の根本的な原因だと指摘したことを紹介した。

また、領空閉鎖は国家主権に基づく行為であり、民間航空機が強行離陸すれば攻撃目標と見なされる恐れがあるため、航空会社は運航停止を選ばざるを得なかったという郭教授の解説を伝えた。

さらに、旅行予約サイト「携程(シートリップ)」のデータにも触れ、ドバイ発のエコノミークラスが5万元(約114万円)近くにまで高騰した一方、同時期の中国発ドバイ行きは3000元(約6万8000円)以下にとどまり、極端な価格差が生じたと指摘した。

記事はこのほか、32人の高齢者からなる浙江省寧波市の旅行団が交渉の末に代替便で帰国した事例や、別の旅行客が徹夜で自動予約プログラムを自作し経由便をようやく確保した事例にも触れた。

なお記事によると、3月7日には中国駐ドバイ総領事館が計6便の中国行きフライトを発表したものの、同日午前にはドバイ国際空港上空で迎撃行動が発生し、爆発音の後にターミナルの旅客が地下への緊急避難を求められるなど、安全上の懸念が払拭されていないことを併せて報じた。(編集・翻訳/川尻)

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