2026年3月9日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、ホルムズ海峡を通航する船舶がAIS(自動識別システム)で「中国籍」を偽装していると報じた。

記事は、米国とイスラエルによるイランへの軍事攻撃後、ペルシャ湾とオマーン湾を結ぶホルムズ海峡の通航が極めて困難になっている状況を紹介。

イラン側が米国、イスラエル、欧州の船舶の通航を禁止したことを受け、各国の船舶が攻撃を回避するためAISを通じて「船主が中国」「全員が中国人乗組員」などと偽った情報を発信する動きが広がっていると伝えた。

また、AFP通信の分析により、2日以降に船舶約30隻がAIS応答器を通じて中国関連の情報を発信していたことが明らかになったと指摘。中でもバルク船「アイアン・レディ」や「中洋」は海峡通過前に中国との関連を主張しながら、対岸に到達した直後にその情報を撤回しており、偽装が一時的な攻撃回避策だったことを裏付ける事例として注目されていることを紹介した。

その上で、エネルギー分析企業ケプラーのアナリスト、アナ・スバシッチ(Ana Subasic)氏がAFP通信に対し、こうした信号は「最も危険な海域を通過する際に攻撃対象となるリスクを減らすための予防措置」であり、「必ずしも中国との直接的な関係を意味するわけではない」と解説し、あくまで船舶側の自衛的な判断であり、中国政府の関与を示すものではないとの見方を示したことを報じた。

記事は、2月28日の米・イスラエルによる対イラン空爆以来、イランのイスラム革命防衛隊が海峡の航行を事実上封鎖していると紹介。最初の船舶への攻撃事件以降、商船20隻以上が海峡を通過したことが確認されたものの、一部の船舶は位置を隠すためAIS応答器の電源を切って航行しており、その中に原油や石油製品を運ぶタンカー9隻とLNG運搬船2隻を確認したと伝えた。

さらに、ホルムズ海峡は通常であれば毎日138隻の船舶が通航し、世界の原油および液化天然ガス(LNG)の約20%が経由する世界有数の戦略的水路だとした上で、封鎖が長期化すれば国際的なエネルギー供給網に深刻な打撃を与えかねない状況だと指摘した。(編集・翻訳/川尻)

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