シンガポールメディアの連合早報は9日、ジェット燃料価格が制御不能な「パニックポイント」に近づく中、アジアの航空会社は運賃値上げや運航停止を検討しているとする記事を掲載した。
記事が米ブルームバーグなどの報道を引用して伝えたところによると、中東紛争の激化で1970年代以来最悪の石油ショックが引き起こされる恐れがある中、アジアの航空会社は運賃値上げや運航停止を含む緊急時対応を策定している。
事情に詳しい関係筋は、インドの航空会社が長距離路線の運賃を15%値上げし、さらに値上げを検討していると明らかにした。ベトナムでは国営メディアが、同国が輸入ジェット燃料に依存していることから航空運賃が最大70%上昇する可能性があると警告している。
アジアの航空会社は欧米の競合会社ほど原油高に対するヘッジが充実していないため、ジェット燃料価格急騰の影響を受けやすい。
スパルタ・コモディティーズのシニア石油市場アナリスト、ジューン・ゴー氏は「至る所でパニックボタンが作動している」とし、ヘッジプログラムが脆弱(ぜいじゃく)なアジアの航空会社が現在のジェット燃料価格急騰よりも前に航空券を大量に安価で販売していた場合、その利益の余地は急速にむしばまれることになるだろうと述べた。
関係筋によると、利益率の低い格安航空会社の中には、現在の状況が3カ月以上続いた場合、倒産に追い込まれるところもある。ドイツ銀行のアナリスト、マイケル・リネンバーグ氏は報告書で、世界中の航空会社は戦争の影響で数千機の航空機の運航停止を余儀なくされ、特に弱小航空会社は事業を停止する可能性もあると警告した。
米国とイスラエルによるイランへの攻撃は、開始から1週間以上が経過した今も収束の兆しが見えない。中東の主要な航空会社と空港は、既に深刻な混乱に陥っている。紛争地域の空域が閉鎖されたため、アジアと欧州を結ぶ路線はアフリカや中央アジアを迂回することを余儀なくされ、飛行時間が長くなるだけでなく、燃料コストや保険料率の押し上げにも直面している。
世界の航空旅行は、燃料供給の混乱と運航コストの急騰の二重の挟み打ちの下、新型コロナ禍以来最も深刻で長期にわたる不確実性に直面している。(翻訳・編集/柳川)











