2026年3月14日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、イランによるホルムズ海峡の事実上の封鎖を受け、IEA加盟32カ国が過去最大規模となる4億バレルの石油緊急備蓄の放出に踏み切ったと報じた。

記事は、2月28日の戦争勃発以降、イランが湾岸諸国の主要輸出ルートであるホルムズ海峡を事実上封鎖し、世界の原油・天然ガス輸出の5分の1が停止していると説明。

主要産油国も貯蔵能力の飽和を理由に生産を削減しており、エネルギー市場の安定性への懸念が高まっていると伝えた。

また、4億バレルの放出では米国が1億7200万バレル、日本が約8000万バレルをそれぞれ拠出すると紹介する一方、IEAは今回の放出量が湾岸地域で失われる石油流量の3~4週間分にしか相当しないと指摘していることに言及。ブレント原油価格は週初めの最高値119.50ドルから下落したものの1バレル当たり約100ドル前後で推移しており、顕著な価格抑制には至っていないとした。

さらに、英証券会社トレード・ネーションのアナリスト、デビッド・モリソン氏が「数十カ国の同時行動が価格抑制を目的としたものだとすれば、明らかに失敗している」と述べ、市場がこの動きをパニックと解釈した可能性を示唆したことに言及した。

記事はその上で、経済調査会社キャピタル・エコノミクスのハマド・フセイン氏が、ホルムズ海峡の閉鎖が長期化した場合、紛争による供給損失がIEA加盟国の総備蓄を上回る可能性があると警告したことを紹介した。

このほか、IEA非加盟で協調放出に参加していない中国についても言及し、エネルギー分析会社ボルテクサの推定では総備蓄量が13億バレルと世界最大規模で、中国経済を3~4カ月支えるのに十分な規模だと伝えている。(編集・翻訳/川尻)

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