中国東北部の遼寧省海洋水産科学研究院でこのほど、1頭の特別な西太平洋ゴマフアザラシが生まれ、「伝承(チゥアンチェン)」と名付けられました。特別という理由は、「伝承」が同研究院で初めて繁殖に成功したゴマフアザラシであることに加え、その両親がいずれも完全な盲目のため、海に戻すことのできない個体だからです。

「伝承」の両親が完全に盲目になった原因は白内障でした。2023年10月、密猟で捉えられた41頭のゴマフアザラシが救助され、同研究院に移送されて保護されました。そのうちの12頭は白内障にかかっており、海に戻す条件を満たしていないかったため、そのまま研究院で飼育されています。「伝承」の両親はその中の2頭でした。

誕生後数日間の観察で、スタッフは「伝承」の健康状態が良好で、将来は海に戻すことが可能だと確認しました。同研究院では2005年以降、計241頭のゴマフアザラシを救助し、そのうちの220頭が無事に海に戻されました。しかもその多くはゴマフアザラシの幼獣でした。

西太平洋ゴマフアザラシは中国の国家1級保護水生野生動物に指定されており、中国の海域で繁殖できる唯一の鰭脚類(ききゃくるい)の海生哺乳動物です。遺伝学および生態学の研究によると、遼東湾の繁殖域に生息するゴマフアザラシは地理的に隔離状態にあるため、世界中のその他の繁殖域のゴマフアザラシとは遺伝子交流がなく、その幼獣を保護することは極めて重要な意義を持っています。(提供/CGTN Japanese)

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