中国では近年、商品そのものよりも体験や感情的な満足感を重視する「体験経済」が広がり、若者の間で「情緒消費(感情的価値を求める消費)」が注目を集めています。
広西チワン族自治区南寧市では3月15日、春の花のシーズンに合わせたイベント「青秀山花季ランニング大会」が開催され、約3000人のランナーが参加しました。
こうしたイベントには若者の参加が目立ちます。南寧市内で働く28歳の女性会社員は、仕事の忙しさから気分転換を目的に参加したといい、「自然の中で気持ちをリセットしたかった」と語りました。春の花が見頃を迎えた青秀山では、花畑で写真撮影を楽しむ人の姿も多く、観光客がプロのカメラマンに撮影を依頼する「約拍(撮影予約)」も人気を集めています。観光客の女性は「花は数日で散るが、写真は一生残る。春の思い出を持ち帰りたい」と話しました。
また、味覚を通じて街を体験する「食の体験」も若者の人気を集めています。南寧の名物料理「老友粉」を求めて訪れる観光客も多く、市内の店舗ではスーツケースを持った旅行客が麺を味わう光景も珍しくないといいます。
さらに、南寧の歴史文化街区「三街両巷」では、祈願をテーマにした文化クリエーティブ商品やトレンド玩具を扱う店舗が人気を集めています。手作り工房では若者が自分だけの作品作りに没頭しており、癒やしや祈り、思い出といった感情を託す小さな商品が、精神的な満足を得るための「器」として支持されています。こうした需要は小規模ながら魅力的な新しいビジネス分野の創出にもつながっています。
専門家によると、中国の体験経済は現在、文化観光、エンターテインメント交流、新小売体験の3分野を中心に拡大しています。若者の受容度が高く、情報拡散力や柔軟なビジネスモデルを備えていることから、今後も市場成長をけん引する主要分野になるとみられています。中国が質の高い発展を進める中で、体験経済のさらなる拡大が期待されています。(提供/CGTN Japanese)











