米国のトランプ大統領が中国、日本、韓国などに中東産石油の海上輸送の要衝・ホルムズ海峡への艦艇派遣を求めているのに対し、中国国営の英字紙は「自分が火を付けておきながら、今になって世界中に火消しと費用負担を求めてきた」と批判した。各国は派遣要請に慎重な態度に終始。
ホルムズ海峡は全世界の石油・ガスの約5分の1が通過する原油の主要ルート。イランは米国とイスラエルによる空爆後、この海域を封鎖しタンカーを攻撃するなど報復を続けている。ただしイランは友好国の中国に向かうタンカーは通行を認める考えを伝えた。
トランプ大統領は14日、自身のSNSを通じて中国、日本、韓国、フランス、英国の5カ国を名指しし、ホルムズ海峡への海軍艦艇派遣を要請した。トランプ大統領は米メディアの取材に「石油の90%をこの海峡を通じて輸入する中国は支援を行うべきだと思う」と述べ、「戦争対応」を理由に3月末に予定されている訪中日程の1カ月先送りする意向も明らかにした。
朝鮮日報によると、中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報の英語版グローバル・タイムズンは15日付の社説で、派遣要請を批判。「責任の分担に関するものか、あるいはワシントンが始めたが終わらせられない戦争のリスク分担を求めるものか、確認しなければならない」とした上で、「ホルムズ海峡に最初に危機をもたらしたのは誰で、今もイランを攻撃しているのは誰か」「ホルムズ海峡緊張の原因は海軍艦艇が足りないからではなく、現在進行中の戦争だ」と述べた。
さらに「1000隻の軍艦があっても交渉テーブルほどの成果は出せない」と言及。「米国が『どこの国が軍艦を派遣するのか』と問いただす間に、中国はいかに戦争を止めるか問いただしたい」とも指摘した。
トランプ大統領はフロリダ州からワシントンに向かう専用機の中で「中国はホルムズ海峡の安全確保に協力すると思うか」との質問に「中国の事例は研究対象だ」として「(協力は)するかもしれないが、しないかもしれない」と答えた。
その後、トランプ氏はSNSで「北大西洋条約機構(NATO)の大半から米国の対イラン軍事作戦に関与したくないとの通告を受けた」と説明。
一方、トランプ大統領の派遣要請発言について、中国外交部の林剣(リン・ジエン)報道官は正面からの回答は避け、「中国側は改めて各方面に軍事行動をやめ、緊張情勢のさらなる悪化を避けるよう呼び掛ける」と強調。「関連国と意思疎通を保ち情勢緩和と沈静化を推し進めていく」とするにとどめた。(編集/日向)











