2026年3月20日、中国のポータルサイト・捜狐に「『鬼滅の刃』の初版第1巻が30万円に高騰した」とする記事が掲載された。

記事はまず、「子どもの頃に何気なく読んでいた漫画が、今では自分の銀行口座の残高よりも高い価値を持っているかもしれない。

最近、日本の中古市場で驚くような出来事があった。16年初版で未開封の『鬼滅の刃』第1巻が、メルカリに30万円で出品されたのだ。さらに驚くべきことに、この商品は出品からわずか5分で購入された」と述べた。

次に、「ここで時間を16年に戻してみる。この年、『鬼滅の刃』は週刊少年ジャンプで連載を開始したばかりで、作者の吾峠呼世晴(ごとうげ こよはる)氏もまだ新人だった。正直なところ、この作品がここまで大ヒットするとは当時誰も予想していなかった。初期の読者にとっては、いつ打ち切られてもおかしくないよくある新連載の一つに過ぎなかったのだ。第1巻の単行本が発売された際の価格は数百円程度で、売り上げもごく普通のものだった」とした。

続けて、「真の転機となったのは19年だ。ユーフォーテーブル(ufotable)が制作を担当したテレビアニメが放送されたことで、すべてが一変した。極めて精緻な戦闘作画となめらかな映像表現により、一気に国民的作品へと押し上げられた。その後の展開は周知の通り。

爆発的な興行収入を記録し、圧倒的な人気を誇る作品となった」と言及した。

一方で、「多くの人が見落としている重要な点がある。それは、ヒット前の初版の発行部数がそれほど多くなかったことだ。これこそが、今になって価格が高騰している最大の理由だ。今回30万円で取引された最大のポイントは『初版かつ未開封』である点だ。一度シュリンクを破れば、その瞬間から価値は下がってしまう」と指摘した。

その上で、「コレクターの世界では、初版は希少性、未開封はタイムカプセル、状態の良さは歴史の完全性を意味し、これら三つの条件がそろうことで価格が急騰するのだ。同様に初版未開封の例として、1997年の『ONE PIECE』第1巻は、かつて70万円で取引されたことがある」と紹介した。

また、「当時書店で何気なく買った1冊が、今では『手軽な高級コレクション品』になっている可能性があると考えると実に興味深い。日本のあるネットユーザーは中古店で『スラムダンク』の初登場号である1990年発売の『週刊少年ジャンプ』が7万7000円で販売されているのを発見した。当時の定価は190円だったため、計算するとおよそ400倍に値上がりしていることになる」と述べた。

記事は、「一見すると夢のある話だ。

今のうちに『鬼滅の刃』を何冊か買っておけば、10年後には大金持ちになれるとの幻想を抱いてしまう。しかし冷静に計算してみれば違和感に気づく。10年で600倍になる例は確かに存在するが、極めて例外的だ。36年で400倍というのも強烈に見えるが、年平均では約10%程度にすぎない。しかもその前提として、完全未開封で黄ばみや劣化がなく、保存状態が良好な必要がある」とした。

さらに、「重要なのは『作品選び』だ。もし当時購入した『鬼滅の刃』がわずか数話で打ち切られた場合、現在の価値は『ただの古本』でしかない。正直なところ、これは典型的な生存者バイアスに近い現象だ。われわれが目にするのは、何百倍にも値上がりした成功例だけで、その裏には箱の中で価値を持たず眠っている何千冊、何万冊もの漫画が存在する」と強調した。

そして、「思い出として1冊の本を30年間大切に保管し、その結果として価値が上がったのであれば、それはうれしい副産物だ。しかし最初から利益を目的として同じことをしようとするならば、その道はほぼ成立しないと言っていいだろう」と結んだ。(翻訳・編集/岩田)

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