2026年3月23日、香港メディア・香港01は、中東情勢の緊迫化を背景に中国の専門家らがエネルギー安全保障の脆弱(ぜいじゃく)性を指摘し、グリーンエネルギーへの転換を強調したことを報じた。

記事は、清華大学中国経済思想・実践研究院の李稲葵(リー・ダオクイ)氏が、中国発展ハイレベルフォーラムの会場でエネルギー問題の深刻さを訴えたことを紹介。

同氏が、中国の原油の72%が海外からの輸入であり、そのうち40%が中東からの供給である現状を「悪夢」であると表現したことを伝えた。

また、中共中央財政経済委員会弁公室の韓文秀(ハン・ウェンシウ)副主任が、現在の国際情勢を教訓として新型エネルギー体系の構築を加速させる方針を提示したことに言及。中東での戦火継続が伝統的なサプライチェーンの脆弱性を露呈させたとし、化石燃料を安全かつ秩序立って新エネルギーへ代替する決意を述べたことを報じた。

そして、風力や太陽光などの新エネルギーが輸入や国際輸送を必要としない「現地資源」であることの優位性を指摘し、石油や天然ガスが地政学的リスクに左右される一方で、国内で完結する再生可能エネルギーは国家の自主権を守るための「平和の武器」であるとの韓氏の見解を伝えている。

記事は、中国の石油対外依存度が長年70%を超えており、ホルムズ海峡の封鎖が輸入における大きなボトルネックになっていると分析。今月初旬には貨物船が船舶識別信号を変更して封鎖海峡を通過する事案が発生しており、エネルギー供給の安定化が急務であることを指摘した。

さらに、李強(リー・チアン)首相が先日の全国人民代表大会(全人代)における政府活動報告で「グリーン燃料」や「未来エネルギー」を国家戦略に引き上げ、解決策を具体化させたことに言及。グリーンメタノールなどの代替燃料の技術蓄積を進め、第15次5カ年計画期間(26~30年)に非化石エネルギーの消費比率を25%まで引き上げる目標を掲げていることを紹介した。

その上で、24年のグリーン産業の付加価値が約12.5兆元(約262兆5000億円)に達し、国内総生産(GDP)成長の約21.5%に貢献したというデータを引用し、国務院発展研究センター元副主任の劉世錦(リウ・シージン)氏が、グリーン転換はもはや追加コストではなく、中国経済をけん引する新たな原動力へと進化していると評価したことを伝えている。(編集・翻訳/川尻)

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