独ドイチェ・ベレの中国語版サイトは23日、「米国のイラン産原油制裁解除はブーメラン?中国の国有企業がひそかに動き出す」とする記事を掲載した。

記事が米ブルームバーグや米CNNの報道として伝えたところによると、トランプ米政権がタンカーに積載されたまま海上に放置されていた原油の販売をイランに一時的に許可したことを受け、中国の国営製油会社がイランからの原油購入を探り始めた。

事情に詳しい複数の関係者によると、イラン国営石油会社(NIOC)の担当者や仲介役のトレーダーも、中国に加えて他のアジア諸国の製油会社に対し、水面下で購入を打診している。制裁対象の原油取引に関わるベテランの仲介業者でさえ、何が許容されるのかを理解して将来の罰則を回避するため、細則の精査を進めているところだ。制裁問題の専門家である英ケネディーズ法律事務所のパートナー、カルナン・ティルパシー氏によると、取引には多くの不確実性があり、また4月19日までに取引が完了しなかった場合に何が起きるのかについても不透明だ。イラン産原油の取引に新規参入する正規の船会社は、詳細の追加情報を待っている状況だという。

その一方で、中国に販売されるイラン産原油の価格はすでに上昇している。市場で活動するトレーダーによると、供給業者が貨物に対する需要を探る中、イラン産軽質原油はICEブレント原油に対してわずかに高い価格で提供されたという。

トランプ政権によるイラン産原油への制裁解除の動きについて、中国のSNS上では「ブーメランとなって返ってくる」との見方もある。イラン政権を軍事的に破壊しようと努力する一方で、政権が原油取引から経済的利益を得ることを許してしまったというものだ。

この状況はトランプ氏にとって特に厄介だ。オバマ元大統領がイランとの核合意の一環としてイランに資金を送ったことを繰り返し批判してきたトランプ氏が今や事実上、イランに原油販売量を増やすよう促しているからだ。

トランプ政権の主張によると、それらの原油は米国の制裁にもかかわらず、最終的には中国によって購入されていたはずで、その代わりに米国の同盟国が購入することで、中国がイランに支払うであろう価格よりもわずかに高くはなるものの、当面の供給懸念を緩和できる。ベッセント財務長官はこの措置について、イラン政府に対してイラン産原油を武器として使い、価格を抑えつつ、「エピック・フューリー(壮絶な怒り)」作戦を継続すると表明した。

(翻訳・編集/柳川)

編集部おすすめ