中国各地で、ペット経済を新たな成長分野として育成する動きが広がっています。広東省広州市のペット葬儀施設では、飼い主が愛犬との最後の時間を丁寧に過ごす様子が見られ、こうしたサービスの普及は、ペット関連消費がよりきめ細かく、感情に寄り添った方向へ発展していることを示しています。
近年、中国ではペット関連市場が大きく広がっています。従来のペットフードや医療に加え、撮影、美容、保険、訪問ケア、さらには心理サポートなど、多様なサービスが登場し、ペットの生涯に寄り添う総合的な産業構造が形成されつつあります。
データによると、2025年の中国都市部におけるイヌ・ネコの飼育数は1億2600万匹に達し、市場規模は3126億元(約7兆2000億円)となりました。今後も拡大が見込まれ、2028年には4050億元(約9兆3000億円)規模に成長すると予測されています。背景には、「90後」「00後」と呼ばれる若年層が飼い主の中心となり、ペットとの生活を重視する傾向が強まっていることがあります。
また、中国のペット飼育率は約22~23%とされ、日本や米国と比べて今後の伸びしろが大きいとみられています。消費の中身も、日常的な飼育から、より快適さや満足度を重視する方向へと変化しており、1匹当たりの支出も増加傾向にあります。
こうした動きを受け、地方政府も積極的に支援策を打ち出しています。江蘇省では「ペットフレンドリー」な都市づくりを進め、南京や無錫、塩城などで商業施設や公園の環境整備が進んでいます。広州市南沙区でも、人材支援や税制面の優遇などを盛り込んだ政策を検討し、産業の高度化を後押ししています。
今後は、サービスの質や専門性の向上が一層重要になるとみられます。関連分野の整備や人材育成が進むことで、中国のペット経済はさらに安定的に成長し、新たな消費分野としての存在感を高めていくことが期待されています。











