2026年3月24日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは独紙ヴェルトに掲載されたコンスタンツ大学の進化生物学者アクセル・マイヤー教授の寄稿文を紹介し、中国の大学が学術分野で急速に欧米を追い抜いていると報じた。

記事は、マイヤー教授が浙江大学を視察した上で「中国は世界の科学研究の未来であり、西洋はかつての優位性を失いつつある」との見解を示したことを紹介した。

そして、学術産出量を測る「ネイチャー・インデックス」で浙江大学が世界最高の産出機関となったほか、ライデン・ランキングで世界上位10校のうち8校を中国勢が占める一方、ハーバード大学をはじめ欧米の名門校は軒並み順位を落としていると伝えた。

また、この躍進を支える中国独自の仕組みとして、トップ大学の若手助教が採用後5年以内に世界最高峰の学術誌(セル、ネイチャー、サイエンス)に論文を掲載できなければ給与が半減される一方、成功すれば約5万ドル(約795万円)の報奨金が支給されるという徹底した信賞必罰の制度を紹介。ドイツの大学ではトップ誌への掲載に対して経済的報酬も称賛もほぼないと対比的に言及したことを紹介した。

記事は、マイヤー教授が欧米の凋落の原因として、入試や採用で志願者の才能や実績よりも性別や多様性が優先されるようになった点や、大学が「真理の探究」ではなく「世界をより道徳的にすること」を使命と信じ込むようになった点を挙げたと指摘。ワーク・ライフ・バランスや休暇の拡充を求める風潮も学術成果の減少に拍車をかけていると分析したことを伝えた。

さらに、マイヤー教授がかつて中国からも称賛された「ドイツ的な美徳」である実力主義の喪失を嘆き、「今後、優秀な人材を引きつけるのはドイツではなく中国だ」と警告したことを紹介。欧州の学術界への痛烈な警鐘として締めくくったと報じた。(編集・翻訳/川尻)

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