台湾メディアの中時新聞網は26日、「観光客がどんなに増えても日本経済を救えない?」とする記事を掲載した。

記事によると、台湾の著名な作家でテレビ番組の司会なども務める呉淡如(ウー・ダンルー)氏はこのほど、日本旅行の感想をフェイスブックに記した。

呉氏は、訪日客数が過去最多を更新し、旅行消費額も過去最高を更新するなど、日本の観光産業は目覚ましい成長を遂げているものの、経済の全般的な苦境を覆すことはできないと指摘した。さらに、日本の輸出産業は深刻な状況にあり、この大きなギャップを観光だけで埋めることはできないと強調した。

呉氏は「観光産業が強くても、必ずしも国家が強くなるわけではない」と指摘。「なぜなら、観光産業はサービス業であり、その生産力の上昇速度は通常、製造業やテクノロジー産業に遠く及ばない。さらに、ホテルや飲食、交通といった産業は、ほとんどが労働集約型であるため、観光客が増加しても、企業は競争力を維持するために多くのパートタイム労働者や低賃金労働者に頼らざるを得ない。その結果として、従業員の賃金上昇が限定的となり、国内の消費全体の上昇を促すことが難しくなる」と記した。

また「観光は地域発展の不均衡を加速させる」とも指摘。「観光の恩恵は東京や大阪、京都などの主要都市に集中する。地方にも観光資源は存在するかもしれないが、インフラの老朽化や人口減少により、観光による点状の収入だけでは面状の経済回復を支えるには不十分だ」とした。

日本の観光産業にとって最も深刻な問題としては、「労働力不足」を挙げ、「観光産業の好況は労働需要の急増を招き、サービス業における深刻な人手不足を引き起こす。そのため、企業は価格を引き上げたり、サービスを縮小したりせざるを得ず、顧客がいても対応できない状況に陥ることもある。さらに、観光による税収増は、医療や高齢者介護といった莫大な支出を賄うには不十分な場合が多い」とした。

長引く円安にも触れ、「日本の観光産業はその恩恵を受けてきたが、観光客を引き付ける一方で、本質的には安価なサービスを輸出していることを意味する。円安はエネルギーや食品の輸入コストを引き上げ、日本人の実質的な購買力を低下させる」と指摘した。(翻訳・編集/柳川)

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