中国科学院高エネルギー物理研究所の大型科学施設「中国核破砕中性子源(CSNS)科学センター」はこのほど、医療用アルファ同位体のキュリー級規模の量産に初めて成功しました。これにより、中国が独自開発するアルファ線核医学治療薬は、研究室から臨床応用への移行を加速させることになります。
アルファ同位体はがん細胞を正確に破壊できるだけでなく、周囲の健康な器官への損傷が極めて少ないため、腫瘍治療の有力なツールであり、特に中・後期がんに対する標的治療において重要な臨床価値があります。しかし、長年にわたりアクチニウム225やラジウム223などの主な治療用アルファ同位体は供給が不足しており、量産化は業界にとってグローバルな課題となっていました。
中国の研究チームは、核破砕中性子源科学センターを拠点として、自主開発した統合分離・精製プロセスを活用し、2025年7月に世界で初めて高純度のアクチニウム225、ラジウム223、鉛212(ビスマス212)など複数の医療用アルファ同位体を単一ロットでミリキュリー級規模での同時抽出に成功しました。その放射性核純度は99%以上に達しました。さらに研究プロセスの適正化を重ねた結果、最近になり、鉛212(ビスマス212)について、年間キュリー級規模の供給が可能な量産体制を実現しました。
臨床での大規模な応用ニーズに対応するため、同センターは300MeV、100kWの専用アルファ同位体生産ラインの建設を進めており、完成後は年間100キュリー級規模の生産能力を実現し、約100万人分の核医学治療薬の原料を供給できる見込みです。(提供/CGTN Japanese)











