2026年3月31日、中国メディア・第一財経は、一般人の顔写真が人工知能(AI)短編ドラマに無断で使用され、SNS上で大きな批判を呼んでいると報じた。

記事によると、被害を訴えたのは漢服のメイクアップを手がけるSNSユーザー「白菜(バイツァイ)」さん。

短編動画プラットフォーム「紅果短劇」で配信されたドラマ作品に、白菜さんが過去に撮影した写真の衣装やメイクがAIで再現され、許可なく登場人物に使用されていたという。

しかも、その人物は「強欲で好色な男」として描かれており、白菜さんはプラットフォーム側に異議を申し立て、該当する人物のビジュアルは修正されたという。

一方で、同作品を配信する他のプラットフォームでは修正が行われておらず、権利侵害コンテンツが依然として拡散されている状況だといい、記事は「対応の限界が浮き彫りになっている」と報じた。

AI短編ドラマで一般人の顔を無断使用、「強欲で好色な男」に仕立て上げ―中国メディア

記事は、こうした問題の背景にはAI短編ドラマ市場の急拡大があると分析。今年の春節(旧正月)シーズンには再生回数1億3000万回超のヒット作が生まれるなど業界が急成長していることを紹介した。

一方で、肖像権や音声権の侵害が多発していると指摘。北京インターネット法院は、本人の顔と完全に一致していなくとも一般の人が本人と識別できれば肖像権侵害にあたるとの判断を示していることを伝えた。

記事は権利侵害の救済策について、上海大邦律師事務所の游雲庭(ヨウ・ウンテイ)弁護士の見解として、無断で顔をAI動画に使用された場合の「肖像権侵害」と、人物像を貶める描き方をされた場合の「名誉権侵害」という二つのルートがあると説明。有名人か一般人かを問わず、被害に気づいたらまず証拠を保全し、プラットフォームに削除を求めた上で、制作会社やプラットフォームに対し法的責任の追及や謝罪を求めて提訴すべきだとする同弁護士の助言を取り上げた。(編集・翻訳/川尻)

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