仏国際放送局ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)中国語版は1日、「イラン戦争で中国が経済的勝者になれるとは限らない」との仏紙ル・モンドの報道を紹介した。

ル・モンドの記事は、「イラン戦争およびホルムズ海峡の封鎖により石油価格が急騰し、多くの国がインフレ圧力にさらされている。

しかし中国の状況は異なり、深刻なデフレに陥っている。それでは、イラン戦争は中国がデフレから脱却するのを助け、ひいてはイラン戦争の経済的な勝者へと導く可能性はあるのだろうか」と提起した。

その上で、「米国や欧州などが最も懸念しているのはエネルギー価格の急騰であり、それは通常インフレ圧力を意味する。一方、中国の状況は正反対で、近年では物価が継続的に下落し、経済の活力を蝕んでいる」と説明。「中国では不動産市場の冷え込みに伴いデフレに陥った。これは2021年に政府が不動産バブルを抑制する措置を打ち出し、一部の大手不動産デベロッパーの破綻を招いたことによる。その後、住宅価格は継続的に下落し、不動産に投資していた家計の購買力を弱めた」とした。

また、「5%の成長目標を維持するため、中国政府は工業生産の拡大を続けた。その結果、生産能力は国内需要を上回り、鉄鋼や電気自動車(EV)、太陽光パネルなどで深刻な過剰生産が発生。企業間の過当競争も招き、製造業の約4分の1が赤字に陥っている。工業出荷価格指数は3年以上下落が続き、今年3月も前年同月比で0.9%低下した」と指摘した。

記事は、「イラン戦争による衝撃は、中国の一部の経済分野にとってはプラスに働く可能性がある」と言及。

「石油価格の高騰や供給の不安定化により、中国が力を入れるEVに世界の消費者がシフトする可能性がある。また、中国は石油の輸入国である一方、高い精製能力を持ち、航空燃料の主要な輸出国でもある。中国政府は国内市場保護のため石油製品の輸出を制限しており、オーストラリアなどは自国のエネルギー供給の脆弱(ぜいじゃく)性を認識し始めている」と述べた。

一方で、「現実にはこの危機が中国経済の構造的な弱点を露呈させる可能性の方が高い」とし、「エネルギー価格の高騰は中国企業の利益をさらに圧迫する。特に、中国の輸出は国内総生産(GDP)の約20%を占めている。今回の衝突は世界経済の成長を鈍化させ、中東・欧州・米国の消費需要を弱めるほか、日本などの東アジアや東南アジア諸国、インドなどはエネルギー不足の影響を受けやすく、消費も縮小する見込み。これらはいずれも中国製造業の輸出を圧迫し、中国が外需に大きく依存している現実を改めて浮き彫りにする」と指摘した。(翻訳・編集/北田)

編集部おすすめ