中国の将来の競争力に関わる戦略的布陣が一層明確になってきた。中国メディアは今年初めて政府活動報告に盛り込まれた集積回路、航空宇宙、スマートロボットなど「新興支柱産業」を取り上げ、「10兆元(約229兆4000億円)以上に拡大すると見込まれる」と伝えた。
中国通信社(CNS)によると、3月初めに開催された「第14期全国人民代表大会第4回会議(全人代)」の経済テーマの記者会見で、国家発展改革委員会の鄭柵潔主任が述べた一連の発言が新興支柱産業の発展目標を指し示した。
鄭主任は「暫定試算によれば、新興支柱六大産業の関連生産額は2025年にはすでに6兆元(約137兆6400億円)近く迫っており、30年までにはさらに倍増、あるいはそれ以上となり、10兆元(約229兆4000億円)以上に拡大すると見込まれる」と述べた。
鄭主任が言及した六大新興産業には集積回路、航空宇宙、バイオ医薬、低空経済、新エネルギー貯蔵、スマートロボットが含まれる。この中で鄭氏は特にスマートロボットに触れ、「今回の春晩(国営テレビが製作する春節特別番組)に出演したヒト型ロボットのように単に芸や技を披露しただけでなく、その動きの中には多くの技術的含蓄がある」と話した。
CNSは「10兆元は想像力を大いにかき立てる数字だが、決して空想ではない。データが最も有力な証明だ」と報道。航空宇宙分野では「中国電子情報産業発展研究院」に属す総合研究機構「賽迪智庫(CCID)」のデータによると、中国の商業宇宙市場規模は25年ですでに2兆8000億元(約64兆2320億円)台に達し、前年同期比20%以上増加した。
また、バイオ医薬分野では中国工程院の院士・顧暁松氏が「25年の全国バイオ医薬市場規模は5兆元(約114兆7000億円)に達し、世界市場に占める割合は約22%になる」との見通しを明らかにした。かつては手の届かなかった高額な輸入薬が国産の革新的新薬の登場によって、一般の家庭にも届くようになりつつある。
国家情報センターの朱幼平研究員は「新興支柱産業は技術集約度が高く、成長の余地が大きく、波及効果が強いという特徴を持ち、中国の質の高い発展の新たなエンジンとなる」と強調した。
しかしながら、10兆元への道のりは、決して平坦なものではない。例えば、集積回路の先進プロセスにおける「ボトルネック」の苦しみ、ハイエンド露光装置や高級材料のわずかな進歩にも並々ならぬ努力を要する。
朱研究員は「新興支柱産業のカギは成熟度にある。それは、まだ揺りかご段階の未来産業でもなければ、伝統産業の単純なアップグレードでもない」と言及。「技術が初步的には確立され、潜在力が実証された今、必要なのは資源を集中させ、より大きな経済的付加価値を加速的に形成することだ」と語った。(編集/日向)











