米国とイスラエルがイラン攻撃に踏み切ってから1カ月余。中東からの石油輸送の要衝・ホルムズ海峡は事実上封鎖された。

韓国紙は「不安定な情勢の中で危機対応能力を自ら備えるしかない」と指摘。「自らを守る資源と力を備えること、それがこの戦争が私たちに残した最も重い宿題だ」と論じた。

中央日報は社説で「今回の事態の決定的変数はホルムズ海峡封鎖だった。イラン戦争は地球の反対側で起きたことがリアルタイムでわれわれの日常生活に打撃を与えるという事実を新たに呼び覚ましてくれた」と言及。「原油輸入量の70%以上を中東地域に依存している韓国はホルムズ海峡封鎖という直撃弾を受けた。国際原油価格が(1バレル当たり)10ドル上がるたびに国の貿易収支が80億ドル(約1兆2800億円)ずつ悪化する韓国の構造的脆弱(ぜいじゃく)性は半導体と自動車など主力産業の世界的競争力を深刻に脅かしている」と憂色を深めた。

社説は「安全保障の地形変化も厳しい」と危惧。「米軍戦力の中東への集中で在韓米軍の防空戦略資産の一部が移動配備された事実は戦略的柔軟性が定数になったことを物語る。これは場合によって一時的な対北朝鮮抑止力の損傷につながる恐れがあり、看過できる問題ではない」と述べた。

続いて「『恩恵を受ける国が(ホルムズ海峡を)管理せよ』というトランプ米大統領の圧迫は安全保障を徹底的に取引と費用の観点で置き換える冷酷な国際秩序の断面を表わす」と解説。「戦争の様相で見るように、ドローン戦力と防空網拡充が現代の戦争の勝敗を左右するという事実も韓国安全保障体制を再点検するにあたって貴重な教訓としなければならない」と訴えた。

今後の課題としては「ショックにだけ埋没せず短期的処方を超え安全保障・経済全般に、より根本的にシステムを再点検する必要がある」と提言。

「世の中は有形無形のネットワークが時空間を押し倒す超連結時代で、予測不可能性を戦略武器とする強大国の指導者のために超流動性が国際秩序を揺さぶっている。不安定な情勢の中で危機対応能力を自ら備えるしかない。何よりエネルギー安全保障の大転換が急務だ」と強調した。

さらに「安全保障も同盟に亀裂ができないようにするのと同時に危機対応能力を強化する『自強』の道をともに模索しなければならない」と注文。「戦略資産の空白を自ら埋められる能力を確保し、外交・産業・安全保障を統合管理する強力なコントロールタワーを構築することが急務だ」とした。

その上で中央日報は「ホルムズ海峡の衝撃は韓国経済と安全保障の脆弱な点を赤裸々に表わした」と論評。「危機は必ず繰り返される、次の波はさらに過酷になるかもしれない。いま必要なことは取り繕う策でなく地政学的激変の中でも揺れない構造的転換だ」と主張した。(編集/日向)

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