2026年4月2日、台湾メディアのETtoday新聞雲は、中東情勢の緊迫化を背景に、日本が三層構造のエネルギー安全保障戦略を構築しつつあるとする論説を掲載した。

記事は、日本の原油輸入の約8割が中東に依存しており、ホルムズ海峡の封鎖リスクが現実味を帯びる中、「調達・輸送・自給」を軸とした3層のエネルギー安全保障戦略を立てていると紹介した。

そして、第1の層として産油国との外交関係の維持に加え、官民合わせて約200~250日分の石油備蓄制度が供給途絶時の緩衝材として機能していると伝えた。

また、第2の層として輸送ルートの安全確保を挙げた。記事は、中東から東アジアへの航路上にあるホルムズ海峡と台湾海峡がいずれも供給路の死活的な結節点であり、どちらかで軍事衝突や航路の遮断が起きれば日本のエネルギー供給に直結するとし、海上自衛隊によるインド洋周辺での情報収集や、米国など同盟国との連携を通じた航路の安全確保が不可欠だと論じている。

さらに、第3の層として、海外依存そのものを低減するための国内の取り組みに言及。福島第一原発事故後に社会的議論が続いてきた原子力について、エネルギー需給の逼迫を受けて再び安定電源として位置づけられつつあるとし、既存原発の再稼働に加え次世代原子炉や水素、再生可能エネルギーへの投資が加速していると伝えた。

記事は、この3つの層が外交・安全保障・産業政策を横断する一体的な体系であり、いずれか一つが欠ければ全体の安全が損なわれると総括。日本の戦略は、同様にエネルギー輸入に依存する台湾にとっても示唆があるとし、この戦略がインド太平洋地域の安全保障に深く関わるとの見方を示した。(編集・翻訳/川尻)

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