シンガポール華字紙・聯合早報は5日、中東情勢の悪化により台湾で「ビニール袋騒動」が起きているとの記事を掲載した。
記事によると、中東情勢の緊迫化を背景に、原油価格が急騰し、台湾で生活物資の供給不安が広がっている。
こうした「ビニール袋騒動」はスーパーや夜市にも波及している。弁当店や飲料店では袋の提供停止を告知する張り紙が目立つようになった。豆乳店ではプラスチックカップが不足し、より高価な紙製カップに切り替える動きも出ているほか、コメ袋の在庫減少を背景にコメ価格の上昇も懸念されている。
医療現場にも影響は及び、薬局では薬袋や容器の確保が難しくなりつつある。包装資材の値上がりや品薄は「お金を出しても手に入らない」状況への不安を生んでいる。こうした混乱の主因は、中東戦争による原油・天然ガス供給の不安定化にある。台湾はエネルギーの95%以上を輸入に依存し、原油の約6割、天然ガスの約3分の1がホルムズ海峡を経由するため、地政学リスクの影響を受けやすい構造にある。
台湾政府は事態の沈静化に向け、エチレン増産や備蓄の活用、調達先の多角化も急いでいる。現時点では原油在庫は約90日分あり、天然ガスは法定水準を満たしているとされる。しかし、戦闘が長期化すれば供給が逼迫する可能性もある。
台湾政府は電力や燃料価格の上昇を抑えるため価格凍結措置を取っているが、その分コストは国営企業に蓄積している。すでに電力会社の燃料費は大幅に増加しており、将来的な料金引き上げ圧力は避けられない。また、航空各社は燃油サーチャージを大幅に引き上げ、国際線運賃は1~2割上昇する見込み。これにより海外旅行需要の減速が予想されている。
半導体産業については、現時点で供給網に大きな支障はないものの、コスト上昇は避けられず、地政学リスクが長引けば世界経済にも波及しかねない。今後の焦点は戦闘の長期化とホルムズ海峡の安全確保にあり、台湾経済の行方は「中東情勢に大きく左右される状況となっている」という。(翻訳・編集/北田)











