2026年4月6日、香港メディア・香港01は、人工知能(AI)技術の普及を背景に中国で「一人会社」の登録が急増していると報じた。

記事は、2025年1~6月の中国における一人会社の新規登録数が前年同期比47%増加したと紹介。

AIを駆使することで人手不足や人件費の壁を乗り越える「スーパー個体」と呼ばれる起業家が増えていると伝えた。

その上で、象徴的な成功事例として電子科技大学を卒業した楊平(ヤン・ピン)氏の取り組みを取り上げ、25年2月にAIモデル「DeepSeek」を活用して制作した楽曲が音楽配信サイトで再生回数200万回を突破し、その後立ち上げた個人サイトの1日当たりアクティブユーザー数が20万人を超え、複数のベンチャーキャピタルからエンジェルラウンドで3000万~5000万元(約6億9000万~11億5000万円)の評価額が示されているとした。

その一方で、「一人会社」には華やかな成功例の裏に厳しい現実も存在すると指摘。北京の起業家・蘇魁(スー・クイ)氏が、「一人会社」の1年後の存続率はわずか10%程度だと指摘し、本業以外の法務や財務といった雑務に追われる負担が大きな壁になっているとの見方を示したことを伝えている。

記事は、こうした課題に対応するため、北京、上海、成都、深センなどの各地で支援策が相次いで打ち出されており、上海の臨港新片区では最長3年間のオフィス賃料免除や最大50万元(約1150万円)の計算リソース補助を盛り込んだプログラムが実施され、成都では「一人会社」専用の起業コミュニティが投融資サービスを提供していると紹介した。

そして、工業情報化部の専門委員である盤和林(パン・ホーリン)氏が、「一人会社」はAI応用型企業の新しい組織形態であり、その成否は創業者のAI活用能力と経営手腕にかかっていると分析したほか、最大の弱点である人脈不足を補い案件獲得や上下流のビジネスリソースとの接続を支援することが、生存の鍵になると強調したことを伝えている。(編集・翻訳/川尻)

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