2026年4月7日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、台湾の国家安全局が立法院に提出した報告書で、中国による台湾の半導体人材の引き抜きや技術窃取が強まっていると警告したことを伝えた。
記事は、国家安全局が6日に立法院に提出した報告書の中で、中国による半導体・人工知能(AI)・精密機械といったハイテク分野への誘致や引き抜き工作を、「経貿融台(経済・貿易を通じた台湾取り込み)」という複合的脅威の一環と位置付けたと紹介した。
そして、中国が最新の5カ年計画に基づき、台湾の最先端プロセスチップなどのコア技術を獲得することで西側諸国による対中技術封鎖の打破を狙っているとし、単なる人材争奪ではなく国家戦略としての性格を明確に指摘したと伝えている。
その上で、こうした中国の攻勢に対する台湾側の対抗策として、最先端技術の中国流出を防ぐ法整備が進んでいることに言及。昨夏には台湾企業から華為技術(ファーウェイ)や中芯国際集成電路製造(SMIC)など中国企業への製品・技術輸出を制限する新規定が設けられ、24年には法務部調査局が中国企業8社を「ハイテク人材の不法な引き抜き」の疑いで告発したと報じた。
記事はさらに、報告書が警告する脅威は経済分野にとどまらないとし、中国がディープフェイクや虚偽の世論調査などを組み合わせて年末の台湾地方選挙への介入を図る可能性に加え、越境弾圧、浸透工作による機密窃取、認知戦、国際社会での圧迫、統一戦線工作なども「複合的脅威」として存在するとの分析を紹介した。
そして、中国当局が経済停滞や地政学的競争などの圧力に直面する中、台湾への軍事的威圧や「グレーゾーン」事態による撹乱を継続し、国際社会で台湾の「脱主権化」を図っているという国家安全局の指摘を伝えている。
記事はこのほか、国家安全局が今年の関連動向としてトランプ米大統領と習近平(シー・ジンピン)国家主席の相互訪問計画や米中対立の管理を注視しつつ、「米中競争の構図に緩和の兆しは見えない」と分析したことを紹介。中国共産党および国外の敵対勢力による浸透・破壊工作を阻止し、内部の民主主義の防衛線を強固にする姿勢を強調したと結んだ。(編集・翻訳/川尻)











