北京市経済開発区栄華街道のスマート介護ロボット高齢者サービスステーションで、劉さん(71)はマッサージロボットの的確な力加減を感じながら、「これまでロボットは自分たちとは遠い存在だと感じていたが、マッサージロボットを体験して、体がずっと軽くなった」としきりに称賛していた。40種類以上のロボットを備えたこの「スマート楽園」は、AI(人工知能)がどのように日常生活に入り込んでいるかを直感的に示す生きた窓口となっている。

経済日報が伝えた。

調理ロボットは火加減を正確にコントロールし、「料理を焦がす」心配を解消する。お灸ロボットはツボを自動で特定し、温度を制御してやけどを防ぐため、手作業よりも安心だ。AI診療装置は顔をスキャンするだけで健康状態を分析し、自宅で基礎的な健康チェックが可能となる。会話ロボットは質問に答え、将棋ロボットは暇なときの対戦相手となり、一人暮らしの高齢者の孤独を和らげている。

同ステーションの運営責任者の韓鑫(ハン・シン)氏は、「健康・介護スペースは高齢者に最も人気のあるエリアだ。ここにはマッサージやお灸、外骨格などのロボットが配備されており、高齢者は微信(WeChat)グループや電話で簡単に予約でき、専門的なリハビリ・理療サービスを受けることができる。現在、3台のロボット『理学療法士』は毎日フル稼働している」と説明した。

データによると、2025年末時点で中国の60歳以上人口は3億2000万人に達し、総人口の23%を占めている。生活水準の向上に伴い、高齢者層の消費意識はコストパフォーマンス重視からスマート化志向へと転換しており、介護ロボット分野は多くの企業が注目する重点領域となっている。中研普華産業研究院の報告によると、24年の中国の介護ロボット市場規模は300億元(約6900億円)を超え、日常生活から健康管理、リハビリ訓練、精神的ケアに至るまで、「ロボット家政婦」が高齢者の生活への浸透を加速させている。

こうした変化は介護分野にとどまらず、一般家庭の日常生活にも広がっている。

最近では、中国初のロボット清掃員が広東省深セン市で正式に「勤務」開始し、エンボディドAI技術が初めて一般家庭に入り込み、一般ユーザー向けにサービスが提供された。自変量ロボット科技(深セン)はオンライン家庭サービスプラットフォーム「58到家」と提携し、深センで新たなスマート清掃サービスを開始した。ロボット清掃員と家政スタッフが「黄金コンビ」を組み、家庭サービスの新たなモデルを切り開いた。ロボットはリビングエリアの基本的な清掃や整理を担当し、家政スタッフは徹底清掃や顧客対応に専念する。役割分担が明確になり、効率が2倍に向上した。サービスを体験した深セン市民の張穎(ジャン・イン)氏は、「これまでの清掃はすべて家政スタッフの手作業に頼っていたが、ロボットの助けで基本的な整理や清掃の負担が大きく軽減された」と語る。

政策面での継続的な後押しが、AIを活用した生活消費の基盤をさらに強固なものにしている。今年の政府活動報告では、「エンボディドAI」が将来産業の一つとして明確に位置付けられた。同時に、工業・情報化部は「人型ロボットおよびエンボディドAI標準体系(2026年版)」を発表し、業界の規範化と大規模発展に向けたトップレベルデザインを示した。また、「民政分野における科学技術イノベーションの一層の推進に関する指導意見」では、30年までに制度とメカニズムを一層整備し、重要コア技術でのブレークスルーを実現し、象徴的な科学技術成果を形成し、先端設備と製品の国産化率を大きく高め、民政分野の科学技術イノベーションと産業イノベーションの融合を継続的に深化させる方針が明確に示された。

技術の進化は今後もAIサービスの質の向上を推進し、より「人を理解する」使いやすいものへと進化させていく。北京市経済開発区栄華街道の民生保障弁公室責任者の張莉(ジャン・リー)氏は、「栄華街道の介護ステーションは今後、技術最適化に注力し、高齢者の実際のニーズに基づく企業の研究開発を支援し、より高齢者の使用習慣に合致し、操作がより簡単な機能を磨き上げ、現場の課題を解決していく。

応用範囲を拡大し、ロボットをコミュニティー病院や在宅介護などの場面へ段階的に普及させ、スマート技術を真に高齢者の日常生活に浸透させていく方針だ」と述べた。また、自変量ロボットの関係責任者は、「58到家との協力により、現実の利用シーンに基づく貴重なデータとユーザーフィードバックを得ることができ、ロボットの能力向上を大きく加速させている。当社の目標は、ロボットを各家庭にとってスマートで信頼できる新たなメンバーにすることだ」とした。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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