昨年9月と今年1月に発生した民間無人機(ドローン)の北朝鮮侵入事件に関して、韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は遺憾の意を表明した。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の妹・金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党総務部長は評価する談話を発表したが、韓国の野党は「屈辱的」と反発した。
ハンギョレ新聞によると、李大統領が公開会議の場で、北朝鮮に向けた謝罪ともとれるメッセージを自ら発表したのは初めてだ。
民間無人機による侵入事件を最初に認識した1月10日、「事実であれば朝鮮半島の平和と安全を脅かす重大な犯罪だ」と厳正な捜査を指示した李大統領はその後、「戦争開始行為と同様だ」と国防部の防空網管理の実態を批判。3月1日の三一節(日本からの独立運動記念日)演説では「南北が共に暮らす朝鮮半島で緊張と衝突を招く行為は、いかなる理由でも正当化できない」と述べるなど発言を強めてきた。
李大統領は6日の閣議で、無人機の北朝鮮侵入事件について「わが政府が意図したことではないが、一部の無責任で無謀な行動により不必要な軍事的緊張が誘発されたことに対し、北側に遺憾の意を表する」と述べた。関係官庁に対しては再発防止に向けた制度改善と直ちに実行可能な措置を迅速に進めるよう指示した。
朝鮮中央通信によると、金与正氏は談話で「大統領が直接遺憾の意を表し、再発防止措置に言及したのは非常に幸いで、自らのために賢明な措置だった」と評価した。ただ「自らの安全のためにも北朝鮮に対する無謀な挑発行為を中止すべきで、いかなる接触の試みも断念すべき」とし、韓国との対話には依然として否定的な姿勢を示した。
北側の対応について、ハンギョレ新聞は社説で「北朝鮮当局にとって李大統領の遺憾表明だけで、これまでの韓国政策を一夜にして変えることは難しいかもしれない」としながらも、李在明政権が進めている先制的な緊張緩和への取り組みを無視し続けないことを願う」と言及。「韓国政府は同様の事例の再発を防止するための制度改善を急ぐと同時に、北朝鮮との関係改善に向けた取り組みを続けなければならない」と訴えた。
これに対し、韓国の最大野党「国民の力」の鄭熙溶(チョン・ヒヨン)事務総長は7日に国会で開かれた院内対策会議で、「哨戒艦爆沈に対する北朝鮮の謝罪を求める遺族らの絶叫にはあれほど対応を惜しんだ大統領が北朝鮮に向かっては限りなく柔軟な態度を見せたのは簡単に納得しがたい」と批判。首席報道官は「政府の卑屈な低姿勢は北朝鮮に『挑発しても大丈夫だ』という誤ったシグナルを与えるだけ」と語気を強めた。(編集/日向)











