超党派の米議員グループは4月初め、半導体製造装置の対中‌輸出規制を強化する法案を公表した。ロイター通信や米ブルームバーグ通信などが報じた。

日本やオランダなど同盟国も対象とし、米国が中国の技術的野心を一段と抑え込むことを目的とした超党派の取り組みとなる。

ブルームバーグ通信などによると、下院へ提出された法案はオランダの半導体製造装置メーカー、ASMLホールディングや東京エレクトロンといった企業による半導体製造装置の販売に関する既存の規制を強化する内容。関係者によると、上院でも同様の法案が月内に提出される見通しだ。

法案は半導体回路の形成に不可欠な液浸DUV露光技術など中国が輸入に頼って‌いる技術に焦点を当てている。この分野はASMLがトップを走り、日本のニ‌コンがこれを追う形となっている。

ASMLは‌米国とオランダ政府による既存の規則で最先端装置の対中輸出を禁じられている。現在は旧型のDUV装置⁠を中国の半導体メーカーや中国で事業⁠展開する韓国や台湾の主要企業に販売することが可能だが、⁠新たな法案ではできなくなる。

狙いは、これらの企業に対し、現在米国企業に適用されているより厳格な規制と同等の措置を課すことにある。具体的には中国の特定施設における装置の保守・修理をエンジニアが行うことを禁じる。すでに米国企業に対して禁止されており、輸出規制を巡る議論で重要な争点の一つとなっている。

ロイター通信によると、法案は半‌導体の中芯国際集成電路製造(SMIC)、華虹半導体、通信機器大手⁠の華為技術(ファーウェイ)、メモリーの長鑫存儲技術(CXMT)や長江存儲科技(YMTC)といった中国メーカーに販売したり⁠保守サービスを提供したりすることを禁じている。

また、同法案は米国企業と外国企業の双方に影響する新たな規制も導入する。

対象には米国の半導体製造装置メーカーのアプライド・マテリアルズ、ラムリサーチ、KLAが含まれる。

これらの企業の装置はエヌビディアの人工知能(AI)向け半導体から、あらゆる電子機器に使われる比較的単純な半導体部品までの製造に不可欠だ。米国は長年、日本とオランダと協調し、中国による最先端装置の入手を阻止してきた。これは中国のAI半導体生産における重大なボトルネックとなっている。

米国の対中強硬派は現行の規制はさらに効果を高められると主張。下院の法案を主導するバウムガートナー議員は声明で法案は「米国と同盟国が足並みをそろえてこうした抜け穴をふさぎ、技術的優位を守り、兵器システムから重要インフラまでを支えるサプライチェーン(供給網)を保護することを目指す」と述べた。(編集/日向)

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