2026年4月12日、香港メディア・香港01は、中国各地でマンション管理会社の撤退が相次ぎ、ごみの堆積や防犯機能の喪失など深刻な住環境の悪化が広がっていることを報じた。
記事は、中国の不動産調査機関のデータを引用し、24年から25年にかけて大手管理会社上位50社による物件管理の自主撤退率が前年比37%上昇したと紹介。
また、撤退の直接の引き金は深刻な管理費滞納であると指摘。浙江省湖州市のある住宅区域では今年の管理費徴収率が16.5%まで低下し、杭州市の1万人規模の超大型区域では累計滞納額が1200万元(約2億7960万円)に達したため、管理会社が損失拡大を避けて昨年12月末に撤退した事例を伝えた。
記事は、住民が支払いを渋る根本原因は家計の困窮と不動産価格の下落にあると分析。景気低迷で収入予測が弱まる中、住民は対価を払ってサービスを受けることへの許容度を低下させているとした。さらに、不動産価格の上昇期には問題化しなかった管理費が、資産が目減りする現在では耐え難い固定支出に変質したと解説している。
一方で、管理会社の運営コストは人件費を中心に上昇の一途をたどっていることも指摘。警備員や清掃員の賃金上昇に加え、老朽化した住宅区の設備更新期が重なってエレベーターや配管の維持費も膨らんでおり、コスト増と収入減の板挟みになっていると伝えた。
記事はこのほか、地方政府の政策も追い打ちをかけているとし、新築物件の販売促進と在庫処分を急ぐ地方政府が管理費の指導価格を導入し、基準を人為的に引き下げている状況を紹介。多くの住宅区域で指導価格が現行価格を下回っており、地方政府の良かれと打ち出した施策が、結果として管理会社の正常な運営を不可能にしていると論じた。
その上で、この「皮肉な副作用」がすでに実害として現れており、江蘇省南京市のある住宅区域では管理会社の撤退で半年間放置された結果、物件価格が25%下落したと紹介。入居者が「3年分の管理費を節約しようとして、頭金分の50万元(約1165万円)が消えてしまった」と嘆いていると伝えた。
また、安徽省合肥市の物件では3月末に管理会社が撤退した結果、エレベーターが故障しても修理されず、ごみが山積みとなって悪臭を放ち、警備員不在でゲートが開きっぱなしになるなど、住環境と防犯機能が崩壊したと紹介している。(編集・翻訳/川尻)











