2026年11月5日、中国メディア・観察者網は「モンゴルの草原火災、なぜかモンゴルと日本の友好の象徴に」との記事を掲載した。

記事は、10月8日にKDDIのモンゴル子会社モビコムの日本人最高経営責任者、越智康博氏が率いる一行の車列が東部ドルノド県ハルハゴル郡のヌムルグ自然保護区を走行中、オフロード車の排気管から枯れ草に火がついたと紹介。

火は8日間燃え続け、保護区の80%が焼失したと伝えた。

その上で、「モンゴル政府は当初厳しい姿勢を見せ、ウチラル首相が閣議で『誰一人罰を逃れることはあってはならない』と述べたほか、ノムトイバヤル副首相は『謝罪だけでは足りず、法に基づき賠償を求める必要がある』と表明していた」とした。

一方で、「しかし、モンゴル側の姿勢は10月29日の高市早苗首相との電話会談で180度転換し、謝罪や賠償、法的責任に一言も触れなかった。そればかりか、高市首相が国際協力機構(JICA)の専門家チームの派遣と支援に言及するとウチラル首相は『深い感謝』を表明し、日本政府が『科学的に火災問題に対応した』と称賛までした」と伝えた。

記事は、「損害賠償の根拠となる被害評価に日本の機関が深く関われば調査や責任追及が形だけの処分に終わっても驚かない」と主張。さらに、火災が発生したハルハゴル郡は87年前に関東軍がソ連・モンゴル連合軍と戦ったノモンハン事件の戦場で、モンゴルでは「祖国防衛戦争」とされる地だとした上で、「日本企業の車列が50万ヘクタール超を焼いたのに、政府はそれを友好深化の契機に変えた」と嘆じた。

また、2025年の中国とモンゴルの貿易額は175億8000万ドル(約2兆7700億円)とモンゴルの対外貿易の約65%を占めるのに対し、日本とモンゴルの貿易額は年11億ドル(約1740億円)に満たないことに言及。一方で、モンゴル最大の移動通信事業者であるモビコムの株式の98.8%は日本企業のKDDIが握っていることに触れ、その背景には日本の技術基準、インフラ、援助資金を取り入れて「第三の隣国」バランス戦略を実践し、対外交渉の余地を広げようとするモンゴルの思惑があると論じた。

その上で、モンゴルの「第三の隣国」戦略が環境災害の責任追及にまで影響を及ぼしたことは、最前線で消火に当たった「隣国(中国を指すと見られる)」の貢献を無視する結果となると主張。モンゴルは「隣国(中国やロシア)」との戦略的な信頼関係を損ない、自らを一層受け身の立場に追い込むと結論づけた。(編集・翻訳/川尻)

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