先日、何気なくアマプラを眺めていたら『君の名は。』と『天気の子』が新たに見放題に追加されていることに気付いた。
2024年3月22日に配信が始まったようだ。

そういえば私(あひるねこ)が『君の名は。』を見たのは、地上波で初放送された時が最後。どれ、久しぶりに見てみるか……と再生ボタンを押したところ、そこに表示されていた文字に衝撃を受けてしまった。

なななんと……

公開日:2016年8月26日

そう、今から8年近くも前の作品なのである。嘘だろ……!? 『君の名は。
』ってそんなに前の映画なの……? 調べてみたところ、劇場公開日のちょうど前日にピコ太郎が『PPAP』の動画を公開していた。めっちゃ前だな!

興行収入250億円超えという凄まじい記録を叩き出し、当時の国内歴代興収ランキングで『千と千尋の神隠し』『タイタニック』『アナと雪の女王』に次ぐ第4位となった『君の名は。』(現在は第5位)。

あれから約8年が経ったなんてちょっと信じられないが、いざ再生してみると、8年前とは思えぬ超ハイクオリティな背景美術にいきなり驚愕してしまった。

空、雲、ビル、東京の街並み、光の描き方……アニメなのに、時として現実を超えたリアリティを伴って観客に迫りくる『君の名は。』の映像美は、昔の作品どころか完全に現役バリバリである。


・引っ掛かる点も
ただ、今見ると時代を感じる部分も少なからずあって、例えば主人公・瀧(たき)くんの髪型や服装。長いもみあげに襟足、ワックスでクセ付けしたような無造作ヘアは、主人公っぽくはあるものの、2024年の感覚だとなんだか少し野暮ったく見える。

奥寺先輩とのデートに着て行ったVネックのボーダーシャツなんて、一昔前のファッションって感じだ。自分もああいうの持ってたなぁ……と遠い目になってしまったぞ。

あと気になったのが、学校帰りに仲間とオシャレなカフェでお茶をするシーンである。実家が裕福なだけかもしれないが、1000円以上もするパンケーキを躊躇なく注文する高校生たちから、令和的なリアルを感じ取るのは難しいだろう。


ただ、この件については『天気の子』のパンフレットで新海誠監督も言及している。『君の名は。』の頃と違って日本が明確に貧しくなり、特に若い世代にお金が回らない状況が常態化したことが、『天気の子』の主役2人の貧しさに反映されているという。

「『君の名は。』はパンケーキに喜ぶ話でもありましたが、『天気の子』はジャンクフードに喜ぶ話なんですよね」

残念ながら『天気の子』が公開された2019年よりもさらに貧困化が進む現在の日本においては、一連のパンケーキのシーンはもはや別の時代の出来事のように感じられる。たった8年でここまで変わってしまうものなのか。


・意外な発見
逆に、あまり違和感がなくて驚いたのがスマホの描写だ。どうやら瀧くんが使っているのはiPhone6シリーズらしいのだが、地図アプリを見ながら街を歩いたり、電車内で乗換案内を確認したりする姿は今の我々と何ら変わらない。

スマホを操作するシーンが何度も出てくる『君の名は。』。こういったガジェットアイテムこそ、もっとも時代感が出そうなものだが……。

例えば初期の『名探偵コナン』にはブラウン管テレビが出てくる。
それがいつの間にか、ドローンのような最新ガジェットを操ったりするようになる。登場人物たちの年齢は一切変わっていないのにだ。

『花より男子』を後追いで読んだ時も、最初はみんなポケベルを使っていたのに、途中から当然のようにケータイでやり取りするようになって笑った記憶がある。それくらいテクノロジーの進歩は早いということだろう。

しかし『君の名は。』のスマホに関しては、背面カメラがやや古めかしく見えるくらいで、操作している画面に対しては特に古臭い印象は抱かなかった。
というより、今の自分のスマホとほぼ同じだった。

・8年経ったのに
2024年4月時点でのiPhoneの最新モデルはiPhone15だ。思えば遠くへ来たものだが、もしかするとただ世代を重ねているだけで、実は中身や機能にそこまで大きな変化はないのかもしれない。もちろんカメラの画質なんかは違うだろうけど。

以上、久しぶりに『君の名は。』を見て時代を感じた部分と、特に感じなかった部分をお伝えした。プライム会員なら誰でも視聴可能なので、ゴールデンウィーク中に改めて見返してみてはいかがだろうか。一度見たことがある人も、新しい発見があるかもしれないぞ。

参考リンク:Amazonプライムビデオ
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.

画像をもっと見る

●関連記事