円安の影響もあってか、都心部ではかつてないほど多くのインバウンド客を見かけるようになった。この際、日本は観光立国としてやっていくしかないのでは……? とりあえず日本でたくさんお金を使ってください。


それはさておき、つい先日のこと。ヨドバシアキバのおもちゃコーナーで何やら人だかりが出来ているではないか。どうやらインバウンド客らしいが、彼らが興奮気味に撮影していたものはというと……。

・ヨドバシにて
東京有数の観光地、秋葉原には多くのインバウンド客が押し寄せている。秋葉原のランドマーク的な存在のヨドバシカメラにインバウンド客の姿が多いのは、むしろ当然のことなのかもしれない。

さて、その日は娘とヨドバシアキバ6階のおもちゃコーナーにいたのだが、5~6人の男性がキャーキャー言いながら撮影を繰り返していた。
ほうほう、みなさん何をそんなに興奮していらっしゃるんでしょ?

彼らは「Great!」や「Cool!」などと口にしており、ずいぶんとエキサイトしているご様子。はて、フィギュアでもあるのかな? そう思い覗き込んでみたところ、その先にあったのは……。

ペーパーシアター。

彼らが撮影していたのは「ペーパーシアター(Paper Theater)」という商品で、ジョジョ・ジブリ・ポケモン・ドラえもん・ワンピース・プリキュア・ドラゴンボールなど、複数の完成品が展示されていた。

・ペーパーシアター?
ふむ、ペーパーシアターとは? 調べてみるとペーパーシアターは「株式会社エンスカイ」が手掛けるペーパークラフトキットのことらしい。ざっくり言えば “紙のプラモデル” といったところだろうか?

その作りは精巧で、紙ならではの温かみがいい味を出している。
さらには奥行きのある立体感も特徴的で、確かにアニメや漫画が好きなインバウンド客が興奮するのも無理はない。

価格はサイズなどにより異なるが、1000円代の商品が多かった。「じゃあ1つ作って記事にしてみようかな」と軽い気持ちでペーパーシアターを1点購入。これが地獄の入口とも知らずに──。

・ウソだろ
で、購入したのはジョジョの奇妙な冒険から第5部の「グイード・ミスタ(1290円)」である。理由はミスタが大好きだから!! 俺はミスタのように単純に生きて行きたいんだよ。
真の覚悟はここからだッ!

また同時にピンセットと接着剤のセット(737円)も購入。その他に用意するのはカッターナイフだけなので、ペーパーシアターの作成に必要なものはさほど多くない。

まあ1時間くらいで作れるっしょ。基本は切って貼るだけっぽいし。どちらかというと細かい作業は苦手だが、逆に私のような人間が作れないほど難しいなら、それはそれで問題だろう。

こうして始まった初めてのペーパーシアター作り。
当初の予想通り、作業は「切って貼るだけ」である。……が、これがメチャメチャ時間がかかる! 理由はパーツが細かいことで、ものによってはミリ単位のものもあった。

さらに言うと老眼のせいでどこを切ればいいかわからねえ! 老眼問題はハズキルーペを借りたことで切り抜けたが、精巧な造りのペーパーシアターだけに、作業もそれなりの精密さが求められる。

・マジでカッコいい
結局のところ、3時間をかけてミスタのペーパーシアターが完成。その出来上がりは超カッコいい! 正直適当に片付けてしまった作業もあったが、それでも仕上がりのクオリティは大変満足している。

加えて作業は面倒だがつまらないことはなく、普通に楽しかった。
それなりに時間は取られるが、逆に言えば「かなり時間を潰せる商品」とも言えるだろう。こだわるならば倍くらいの時間は余裕でかけられた。

というわけで、予想外に時間を取られてしまったペーパーシアターだが、インバウンド客たちが帰国後に悪戦苦闘しているかと思うと実に胸が熱い。日本の細やかな技術力が凝縮している商品なので、おみやげなどにもオススメだ。

参考リンク:ペーパーシアター
執筆:P.K.サンジュン
Photo:Rocketnews24.

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