モーニング娘。18の13期メンバー、加賀楓。
ー2018年はモーニング娘。結成20周年イヤーでしたが、この1年は加賀さん自身にとってどんな変化がありましたか?
加賀:最近になって音にこだわるようになったんです。ダンスや歌詞ももちろん大事なんですが、音を身体で表現するにはどうしたらいんだろうっていうことをすごく考えるようになりました。そのきっかけを与えてくれたのが、1月に出した「モーニングコーヒー(20th AnniversaryVer.)」だったんです。この曲の振り付けをしてくださったのが、夏まゆみ先生でした。今のモーニング娘。はフォーメーションダンス主体のパフォーマンスなんですけど、夏先生から私が学んだのはフォーメーションダンスはたくさんある表現のなかの一つということでした。そこに気づいてから、意識が大きく変わりました。
ー20周年記念オフィシャルブックのインタビューでは、リズムがすごく大事だってことに最近気づいたと話してましたよね。
加賀:それも音とまた関係していて、1・2・3・4・5・6・7・8というリズムの中で、様々な刻み方ができるじゃないですか。
ーオリジナルのモーニング娘。を支えた夏先生と出会えてどんな気持ちになりましたか?
加賀:緊張しました。先生とお話しするとかダンスを教わる機会は全然ないんですけど、学ぶことがすごく多くて。「モーニングコーヒー(20th AnniversaryVer.)」の1曲だけでしたが、振り付けをしていただいて、一緒にダンスできる時間ができてよかったです。自分の中で音楽への意識が変わりました。
ーEDM期以降、ここ数年のモーニング娘。のライブで感じられるリミックス感というか、特に日本武道館のような会場だと顕著なんですけど、音響もすごくいいですし、昔の曲も新しい曲も随時アップデートされていて、今の時代のスピード感にすごくマッチした見せ方だなと。サウンドも立体的で厚みがありますし。
加賀:私はモーニング娘。をアイドルとして見たことがなくて。アイドルというより、ハロー!プロジェクト(以下文中ハロプロ)とモーニング娘。という独自の存在です。ダンスと音楽が重なり合って、セットリストの曲も次々にミックスされていく。それが私たちの持ち味なので、そこは絶対崩したくないですし、一年中ずっとライブをしているからこそのクオリティを保っていきたい。ライブに行くんだったら、やっぱりモーニング娘。だよね、ハロプロだよねって言ってもらえるようなレベルにまで達したいです。
ー「かわいいアイドル」の要素を受け継ぎつつ、「カッコいいグループ」としても確実にスキルを磨いてきているわけで、そう考えると引き出しが無数にありますよね。
加賀:20年の歴史に助けられてる部分が絶対あって、そのことが逆に悔しいなと思います。当時から間近でモーニング娘。を知っていたかったなと自分が(モーニング娘。
ー20年継続しているグループならではの悩みですね。
加賀:20年の歴史に深みを与えているのは、やっぱり曲の力なのかなって。メンバーの個性や成長の度合いやグループの雰囲気を理解した上で、幅広いジャンルの曲を作ってくださったという点に尽きると思います。願いが叶うなら、つんく♂さんがプロデュースしたライブをやってみたいです。これまでやったことがないので。
ー自分でもまだまだだなって力不足を感じている?
加賀:はい。最近ようやくわかるようになってきたんです。
ー音楽の捉え方ってところでいうと、モーニング娘。に加入する前の研修生時代はどういうスタンスだったんですか?
加賀:今は歌を重視してますけど、昔はバックダンサーを務めることが多くて、踊ってるのがひたすら楽しいという感じでした。ハロプロ研修生の発表会のときにはステージに立ってパフォーマンスしてマイクを持って歌ったりするわけですけど、リズムへの意識は今ほどではなかったです。とにかくハロプロの曲を歌って踊るのが楽しいっていうのが一番で。
ー「憧れ」がモチベーションになっていたわけですね。
加賀:そうですね。ハロプロの曲を聴いたり観たりして、例えば夏焼さんみたいなカッコいい歌い方をしたいなとか、鈴木さん(鈴木愛理)みたいなキレのある歌声になりたいなとか、研修生のときはそういう憧れが自分の中で溜まっていました。
ー最近気になっているアーティストはいますか?
加賀:PENGUIN RESEARCHさんっていうバンドのベースがすごくオシャレでカッコいいってずっと思ってるんですけど、「敗者復活戦自由形」って曲のイントロのベースがめちゃくちゃいいんです。メンバーの堀江さん(堀江晶太)はボーカロイドの曲のプロデュースもされていて、その曲もずっと前から私は聴いていたので、PENGUIN RESEARCHさんの曲も堀江さんが手がけていると知って感動しました。あとはBLUE ENCOUNTさんが好きです。どの曲もリズムがすごく気持ちよくて、ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018に出たときにライブを観させていただいたんですけど、そのときに小田さん(小田さくら)も一緒に来てくれたんです。小田さんはリズムに関して普段から厳しく言ってくださる方なので、そんな小田さんが「リズムがいい」と言っていたので、自分の意見に共感してくださったのがすごくうれしかったです。
ー6月の武道館のMCコーナーでは、ハロプロの楽曲のイントロクイズで℃-uteの曲を瞬時に当ててましたよね。振りも完璧で。いま振り返ってみて、研修生時代に務めた℃-uteのバックダンサーとしての経験は加賀さんにとってどんな影響がありましたか?
加賀:℃-uteさんのツアーに5回帯同させていただいたんですが、あの体験があったから音楽の道に進みたい!と強く思ったというか。℃-uteさんのパフォーマンスを間近でちゃんと見るまではモーニング娘。しか見てこなかったので、かわいい感じのものしか知らなかったんですけど、℃-uteさんのおかげで大人っぽい振りとか音楽の面白さを知って、自分の幅も広がったと思います。曲によって声色がガラッと変わる鈴木さんや岡井さん(岡井千聖)のヴォーカル・スタイルとか、℃-uteさんには表現力をすごく学ばせていただきました。
ー研修生の時代を経てモーニング娘。に加入したとき、即戦力として周囲から期待されたと思うんですけど、そのプレッシャーとはどう折り合いをつけていたんですか?
加賀:即戦力になれているかどうか自分の中ではいまだに疑問なんです。先輩のパフォーマンス、歌やダンスの表現を見てると、自分には物足りないところがたくさんあるなと思いますし、何が足りないのかも気づかされるんです。その「気づき」を一つずつクリアにしていくのが、今の自分にできることだと思います。この2年間で飯窪さん含め3人の先輩が卒業することになって、そういう意味でも先輩から吸収できる機会があったら少しでも多くのことを学ぼうとしています。ライブをしている間は自分が楽しむとかお客さんを楽しませるとかも含めて、自分の見せ場をとにかく掴んで、その上で何ができるのかを考えるのが課題です。
ー現状に甘んじず、常に向上心を持って臨んでるんですね。
加賀:課題が自分の中にいくつかあるんです。歌については、小田さん、譜久村さん(譜久村聖)、佐藤さん(佐藤優樹)たちに比べると、私はそんなに上手いほうではない。MCに関しても同じで、私はしゃべるのがあまり得意じゃなく、面白いこと言わなきゃ!と考えすぎてしまう。その点、自分の中でいま一番貢献できるのはダンスだと思います。過去に先輩が卒業されたとき、抜けたダンスパートを誰がやるかという話になって、私を選んでいただいたことが何度かあって。うれしいんですけど、先輩のダンスと比べられても恥ずかしくないように一生懸命になりすぎて、精一杯になってしまうのが課題です。先輩に追いつこうってところで止まってしまっているので、見た人に「これがかえでぃーのダンスだよね」って思われるように、これからは自分の個性を出していきたいです。
モーニング娘。18コンサートツアー秋~GET SET, GO!~ファイナル
12月15日(土)東京・日本武道館
17時開場 18時開演
モーニング娘。18コンサートツアー秋~GET SET, GO!~ファイナル 飯窪春菜卒業スペシャル
12月16日(日)東京・日本武道館
16時開場 17時開演
http://www.helloproject.com/morningmusume/
「フラリ銀座/自由な国だから」
モーニング娘。18
zetima
発売中
結成20周年イヤーとなった2018年もまもなく終わる。同グループの未来を担う彼女が体験したことや考えていたことを中心に、インタビューで話を伺った。
ー2018年はモーニング娘。結成20周年イヤーでしたが、この1年は加賀さん自身にとってどんな変化がありましたか?
加賀:最近になって音にこだわるようになったんです。ダンスや歌詞ももちろん大事なんですが、音を身体で表現するにはどうしたらいんだろうっていうことをすごく考えるようになりました。そのきっかけを与えてくれたのが、1月に出した「モーニングコーヒー(20th AnniversaryVer.)」だったんです。この曲の振り付けをしてくださったのが、夏まゆみ先生でした。今のモーニング娘。はフォーメーションダンス主体のパフォーマンスなんですけど、夏先生から私が学んだのはフォーメーションダンスはたくさんある表現のなかの一つということでした。そこに気づいてから、意識が大きく変わりました。
ー20周年記念オフィシャルブックのインタビューでは、リズムがすごく大事だってことに最近気づいたと話してましたよね。
加賀:それも音とまた関係していて、1・2・3・4・5・6・7・8というリズムの中で、様々な刻み方ができるじゃないですか。
ドッドッドッドッとか、ダダッダダッとか。音楽を聴いたときに、この楽器の音はどういう刻み方でリズムを取ってるんだろうとか、そういうことを聴き分けられるようになってきたんです。それも夏先生から学んだ「この音を身体でどう表現するのか?」ってことからの発見だと思います。そう考えると、音楽とダンスって一見違うように見えるけど全然関係なくないというか、絶対どこかしらで繋がってるんだなと。
ーオリジナルのモーニング娘。を支えた夏先生と出会えてどんな気持ちになりましたか?
加賀:緊張しました。先生とお話しするとかダンスを教わる機会は全然ないんですけど、学ぶことがすごく多くて。「モーニングコーヒー(20th AnniversaryVer.)」の1曲だけでしたが、振り付けをしていただいて、一緒にダンスできる時間ができてよかったです。自分の中で音楽への意識が変わりました。
ーEDM期以降、ここ数年のモーニング娘。のライブで感じられるリミックス感というか、特に日本武道館のような会場だと顕著なんですけど、音響もすごくいいですし、昔の曲も新しい曲も随時アップデートされていて、今の時代のスピード感にすごくマッチした見せ方だなと。サウンドも立体的で厚みがありますし。
加賀:私はモーニング娘。をアイドルとして見たことがなくて。アイドルというより、ハロー!プロジェクト(以下文中ハロプロ)とモーニング娘。という独自の存在です。ダンスと音楽が重なり合って、セットリストの曲も次々にミックスされていく。それが私たちの持ち味なので、そこは絶対崩したくないですし、一年中ずっとライブをしているからこそのクオリティを保っていきたい。ライブに行くんだったら、やっぱりモーニング娘。だよね、ハロプロだよねって言ってもらえるようなレベルにまで達したいです。
ー「かわいいアイドル」の要素を受け継ぎつつ、「カッコいいグループ」としても確実にスキルを磨いてきているわけで、そう考えると引き出しが無数にありますよね。
加賀:20年の歴史に助けられてる部分が絶対あって、そのことが逆に悔しいなと思います。当時から間近でモーニング娘。を知っていたかったなと自分が(モーニング娘。
の)一員になってから強く感じるようになりました。昔から続いてきたつんく♂さんの教えを、9期さん、10期さん、11期さんはまだ実感としてわかっていると思うんです。現場でつんく♂さんと話すこともあったでしょう。でも、つんく♂さんがコンサートのプロデュースから離れられてからは、お話しする機会も少なくなってしまった。今はつんく♂さんから直接教えてもらった先輩がいて、私たちはそれを聞くことができるけど、もし私たち13期が先輩になって、後輩たちが入ってきたときにどうしようというのは考えます。
ー20年継続しているグループならではの悩みですね。
加賀:20年の歴史に深みを与えているのは、やっぱり曲の力なのかなって。メンバーの個性や成長の度合いやグループの雰囲気を理解した上で、幅広いジャンルの曲を作ってくださったという点に尽きると思います。願いが叶うなら、つんく♂さんがプロデュースしたライブをやってみたいです。これまでやったことがないので。
ー自分でもまだまだだなって力不足を感じている?
加賀:はい。最近ようやくわかるようになってきたんです。
前は言われて「よく意味がわからない」と思ってたことが。だから昔の音源やライブの映像をチェックすると「やばい!」って思います、できてなさすぎて。音楽の話でいうと、バンドの曲をたくさん聴くようになってから、リズムって音楽としてすごく大事なんだなって気づきました。リズムがちゃんとしていないと聴いていても楽しくないし、うまくハマってこないところがあると違和感を感じてしまうというか。昔からお母さんがaikoさんがすごく好きで、私自身もaikoさんの曲をずっと聴いていて好きなんですけど、あらためて聴くとaikoさんのリズム感ってすごいんだなって。
ー音楽の捉え方ってところでいうと、モーニング娘。に加入する前の研修生時代はどういうスタンスだったんですか?
加賀:今は歌を重視してますけど、昔はバックダンサーを務めることが多くて、踊ってるのがひたすら楽しいという感じでした。ハロプロ研修生の発表会のときにはステージに立ってパフォーマンスしてマイクを持って歌ったりするわけですけど、リズムへの意識は今ほどではなかったです。とにかくハロプロの曲を歌って踊るのが楽しいっていうのが一番で。
ー「憧れ」がモチベーションになっていたわけですね。
加賀:そうですね。ハロプロの曲を聴いたり観たりして、例えば夏焼さんみたいなカッコいい歌い方をしたいなとか、鈴木さん(鈴木愛理)みたいなキレのある歌声になりたいなとか、研修生のときはそういう憧れが自分の中で溜まっていました。
自分がそんな環境でハロプロの曲を踊って歌えるのがとにかく楽しいっていう感じだったんですけど、今はいろんなアーティストさんの曲を聴いて学んでます。
ー最近気になっているアーティストはいますか?
加賀:PENGUIN RESEARCHさんっていうバンドのベースがすごくオシャレでカッコいいってずっと思ってるんですけど、「敗者復活戦自由形」って曲のイントロのベースがめちゃくちゃいいんです。メンバーの堀江さん(堀江晶太)はボーカロイドの曲のプロデュースもされていて、その曲もずっと前から私は聴いていたので、PENGUIN RESEARCHさんの曲も堀江さんが手がけていると知って感動しました。あとはBLUE ENCOUNTさんが好きです。どの曲もリズムがすごく気持ちよくて、ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018に出たときにライブを観させていただいたんですけど、そのときに小田さん(小田さくら)も一緒に来てくれたんです。小田さんはリズムに関して普段から厳しく言ってくださる方なので、そんな小田さんが「リズムがいい」と言っていたので、自分の意見に共感してくださったのがすごくうれしかったです。
ー6月の武道館のMCコーナーでは、ハロプロの楽曲のイントロクイズで℃-uteの曲を瞬時に当ててましたよね。振りも完璧で。いま振り返ってみて、研修生時代に務めた℃-uteのバックダンサーとしての経験は加賀さんにとってどんな影響がありましたか?
加賀:℃-uteさんのツアーに5回帯同させていただいたんですが、あの体験があったから音楽の道に進みたい!と強く思ったというか。℃-uteさんのパフォーマンスを間近でちゃんと見るまではモーニング娘。しか見てこなかったので、かわいい感じのものしか知らなかったんですけど、℃-uteさんのおかげで大人っぽい振りとか音楽の面白さを知って、自分の幅も広がったと思います。曲によって声色がガラッと変わる鈴木さんや岡井さん(岡井千聖)のヴォーカル・スタイルとか、℃-uteさんには表現力をすごく学ばせていただきました。
ー研修生の時代を経てモーニング娘。に加入したとき、即戦力として周囲から期待されたと思うんですけど、そのプレッシャーとはどう折り合いをつけていたんですか?
加賀:即戦力になれているかどうか自分の中ではいまだに疑問なんです。先輩のパフォーマンス、歌やダンスの表現を見てると、自分には物足りないところがたくさんあるなと思いますし、何が足りないのかも気づかされるんです。その「気づき」を一つずつクリアにしていくのが、今の自分にできることだと思います。この2年間で飯窪さん含め3人の先輩が卒業することになって、そういう意味でも先輩から吸収できる機会があったら少しでも多くのことを学ぼうとしています。ライブをしている間は自分が楽しむとかお客さんを楽しませるとかも含めて、自分の見せ場をとにかく掴んで、その上で何ができるのかを考えるのが課題です。
ー現状に甘んじず、常に向上心を持って臨んでるんですね。
加賀:課題が自分の中にいくつかあるんです。歌については、小田さん、譜久村さん(譜久村聖)、佐藤さん(佐藤優樹)たちに比べると、私はそんなに上手いほうではない。MCに関しても同じで、私はしゃべるのがあまり得意じゃなく、面白いこと言わなきゃ!と考えすぎてしまう。その点、自分の中でいま一番貢献できるのはダンスだと思います。過去に先輩が卒業されたとき、抜けたダンスパートを誰がやるかという話になって、私を選んでいただいたことが何度かあって。うれしいんですけど、先輩のダンスと比べられても恥ずかしくないように一生懸命になりすぎて、精一杯になってしまうのが課題です。先輩に追いつこうってところで止まってしまっているので、見た人に「これがかえでぃーのダンスだよね」って思われるように、これからは自分の個性を出していきたいです。
モーニング娘。18コンサートツアー秋~GET SET, GO!~ファイナル
12月15日(土)東京・日本武道館
17時開場 18時開演
モーニング娘。18コンサートツアー秋~GET SET, GO!~ファイナル 飯窪春菜卒業スペシャル
12月16日(日)東京・日本武道館
16時開場 17時開演
http://www.helloproject.com/morningmusume/
「フラリ銀座/自由な国だから」
モーニング娘。18
zetima
発売中
編集部おすすめ