英国発のロック・フェスティバル「DOWNLOAD FESTIVAL」が日本初上陸。それが3月21日に幕張メッセで開催されるDOWNLOAD JAPAN 2019だ。
ハード・ロック/ヘヴィ・メタル勢が多数出演する同フェスの中で、SUM 41はポップ・パンクのバックグラウンドを持つバンドである。等身大の活動で突っ走ってきた彼らは日本でも人気が高い。来日に向けて、フロントマンのデリック・ウィブリーが米ロサンゼルスで取材に応じてくれた。

SUM 41のヴォーカル・ギター、デリック・ウィブリーは音もなくインタビュールームに姿を見せた。それはあまりに自然で、我々取材陣が慌てて取材準備を始めたほどだった。彼は非常に物静かでナイーブそうに見えたが、こちらの質問に対して落ち着いたトーンでしっかり答えてくれた。

SUM 41はSUMMER SONIC 2017以来1年半ぶりとなる来日をDOWNLOAD JAPAN 2019で果たす。今回のインタビューでは、新作の制作真っ最中だという彼らの近況や、SUM 41と日本のつながり、そしてDOWNLOAD FESTIVALについて話を聞いた。

―2015年に活動を再開させて以降、精力的に活動しているSUM 41の現在について教えてください。

今、ちょうどスタジオで新しいアルバムを制作してるよ。今もスタジオからここに来て、インタビューが終わったらまたスタジオに戻るつもり。リリースの時期はまだわからないけど、夏ぐらいまでには出せたらと思ってるよ。
作業ももうすぐ終わりそうだからね。

―体調はどうですか?

ちょっと風邪気味だけど健康だよ。

―日本のファンは心配してると思うので。

ああ、俺のお母さんも心配してるよ(笑)。

―あはは! 2018年に行われたアルバム『Does This Look Infected』の15周年ツアーはいかがでしたか?

とても良かったよ。実はこれはサプライズ的な催しだったんだけど、自分たちでは『Does This Look Infected』が15周年というのをあまり意識してなかった。でも、ファンがその話をしだして、みんなの後押しがあってツアーをやることになった。だけど次のアルバムの制作も既に決まっていたから、ワールドツアーはやらずに北米ツアーだけにしたんだよ。

【独占取材】SUM 41のデリックが語る日本とのつながりとDOWNLOAD FESTIVAL

Courtesy of DOWNLOAD JAPAN 2019

―『Does This Look Infected』という作品についてあらためて話を聞かせてください。

わからないなあ。でも、いい曲もいくつかあるし、いいアルバムだと思うよ。この作品の制作に入る前、ツアーはブッキングされてるけどアルバムはない、スタジオは押さえてるけど曲がないっていう、俺が曲を作る以外は全部準備が整った状態だったんだ。
だから、俺はツアーから家に帰って数週間で曲を書いて、数週間でレコーディングして、またツアーに出て、その間にアルバムがリリースされてって感じだったんだよ。すべての流れが早かったね。

―そんなに忙しい最中に作られた作品だったんですね。

今作ってるアルバムも、『Does This Look Infected』の15周年ツアーが終わってすぐにスタジオへ直行して制作してるからね。今回もまた短期間での制作って感じだよ(笑)。いいことなのか悪いことなのかは分からないけど、曲は短期間でできるときもあれば、逆にすごく時間がかかるときもある。理由はわからないけどね。

―曲はメロディから作るんですか? それともギターから?

ギターからだね。ステージにいるときみたいにギターのボリュームをすごくデカくして、動きも含めて自分が本当にステージにいるようなイメージで曲作りをしてるよ。で、その次に仮のドラムを入れたりしてトラックを重ねて、そうやってできたオケと一緒に歌うことによってメロディができるんだ。

―3月に日本で初めてDOWNLOAD FESTIVAL が開催されますが、SUM 41とDOWNLOAD FESTIVALの関わりはどういったものなんですか?

DOWNLOAD UKには2004年と2017年に出演したよ。このフェスは巨大でオーディエンスも素晴らしいよね。


―DOWNLOAD JAPANに期待することは?

日本のファンはいつもすごく盛り上がってくれるから楽しくなると思うよ。日本のファンはみんな歌ってくれるし、みんな音楽に集中してくれるからね。一部のファンだけじゃなくて、会場にいるオーディエンス全員がそうなんだ。だからDOWNLOAD JAPANでもそれぐらい盛り上がったらうれしいし、そうならない理由が見つからないよ。

―日本のパンクファンはSUM 41と強い結びつきを感じていますが、デリックは日本という国についてどう感じているのでしょうか。

日本はすごく好きな国で、初めて東京に行った時は「ここに引っ越したい!」って思ったよ。それぐらいいい時間を過ごせるところだからね。でも、唯一日本の嫌いなところを言うと、ものすごくたくさんのルールがあるところ。これもダメ、あれもダメ、みたいな。理由が分からないのにダメっていうこともあるでしょ? それが面倒だよね。

―日本で自由時間がある時は何をしているんですか?

買い物だね。(アメリカには大きいサイズの服しかないけど、)日本には俺のサイズの服がたくさんあるから。
まあ、ツアー中は電車で各地を移動して、休みは1日ぐらいしかないから、ゆっくり買い物ってわけにもなかなかいかないんだけどね。

【独占取材】SUM 41のデリックが語る日本とのつながりとDOWNLOAD FESTIVAL

Courtesy of DOWNLOAD JAPAN 2019

―東日本大震災の直後、来日バンドとしては初めてSUM 41は被災地の仙台で公演を行いました。当初の日程を変更してまで仙台に足を運んだ理由はなんだったんでしょう。

被災地の人にはエンターテイメントが必要だろうって思ったからだよ。あとは心から気の毒に思うからこそ自分たちが元気づけたいっていう気持ちもあった。被害が大きい地域には行かなかったんだけど、悲しい経験だっていうのはすごく感じたし、できる限りいいライブを届けようとしたよ。あのとき来てくれたみんなが喜んでくれてたらうれしいな。

―みんな感謝していたと思います。では、現時点での最新作『13 Voices』に収録されている「WAR」でONE OK ROCKのTAKAとコラボしたことについて聞かせてください。

何年か前にTAKAと友達になって、何度かハングアウトするうちに一緒に音楽をプレイしたり、曲を作るようになったんだけど、完全に最後まで仕上げたものはなかったんだ。で、俺がスタジオで別の曲を作ってる時に、「あっ! この曲にはTAKAの声が合うな」って思って、TAKAに「これ歌ってみない?」って声をかけて「じゃあ、やってみよう!」ってことになったんだ。

―レコーディングは一緒にやったんですか?

曲は俺の自宅のスタジオですでにレコーディングしていたから、そのデータをTAKAに送って、彼の自宅スタジオで歌を録音してもらったんだ。


―ONE OK ROCKの他にお気に入りの日本人アーティストは?

高校生の頃はHi-STANDARDをよく聴いてたよ。

―では最後に、今回初めてSUM 41を観る人にオススメするアルバムを教えてください。

それは難しい質問だな。作品によってサウンドが全然違うからね。でも、DOWNLOAD JAPANでは全部のアルバムからプレイするつもりから、『ベスト・オブ・SUM41』を聴くのがいいかもね(笑)。

【独占取材】SUM 41のデリックが語る日本とのつながりとDOWNLOAD FESTIVAL


DOWNLOAD JAPAN 2019
日程:2019年3月21日(木・祝)
会場:千葉県 幕張メッセ国際展示場9~11
出演:オジー・オズボーン、スレイヤー、SUM 41、アンスラックス、アーチ・エネミー、ヘイルストーム、MAN WITH A MISSION、アマランス、ライク・ア・ストーム 他
料金:スタンディング ¥16,500(税込/1ドリンク代別途必要)
VIPチケット ¥30,000(専用ビューイングエリア、専用入場レーン、物販ファストレーン、専用クローク、1ドリンク付、VIPラミネート配布)

※2月19日追記:オジー・オズボーンは病気のためDOWNLOAD JAPAN 2019出演キャンセルとなった。

チケットぴあ、イープラス、ローソンチケット、他プレイガイドにて一般発売中
https://www.downloadfestivaljapan.com/ja/tickets

【独占取材】SUM 41のデリックが語る日本とのつながりとDOWNLOAD FESTIVAL
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