スティーヴ・アオキはゆっくり寛ぐヒマもない、と言うだけでは不十分だろう。
「Waste It On Me」を生んだDJいわく、タイトな遠征スケジュールで最初のころは運動するのもままならなかったと言う。なによりも健康第一の過酷なツアー生活で、これは大問題だった。遠征から戻った時はちょくちょくCrossFitに通っていたが、ツアー先では近所に必ずジムがあるとは限らない。
日々のトレーニングを欠かしたくない、という思いから生まれたのが、NEOUアプリから今週リリースされた新フィットネス・プログラム「アオキ・ブートキャンプ」だ。アプリのユーザーは世界中どこからでもワークアウトレッスンをストリーミングで閲覧することができ、会員登録すれば、アオキ自ら公認トレーナーと出演する健康フィットネスの動画にアクセス可能。当然ながら、エクササイズはすべてアオキの楽曲がBGMになっている。
「俺みたいにせわしない毎日を送っていると、ツアー先で運動するのはすごく大変なんだ」とアオキは説明する。「来る日も来る日も街から街へと移動してるからね。アオキ・ブートキャンプは俺にとって、旅先でも運動する手段なんだ。

NEOU提供
アオキが今回のプロジェクトでタッグを組んだのは、長年の友人ネイサン・フォースター。元プロテニス選手だった彼は、フィットネスおたくが功を奏して昨年NEOU社を創業した。同社は今ニューヨークで話題の2万平方フィート(1850平米)のスタジオを運営し、ボクシングからサイクリング、高強度インターバルトレーニングまであらゆるエクササイズを提供している。レッスンの大半は録画され、NEOUのアプリにアップデートされる。アプリはApple AppストアやGoogle Playからダウンロード可能。5月1日に限っては、お試し期間セールとして、月額7ドル99セント、または年額79ドル99セントでダウンロードできる。いずれも2週間の無料トライアルつき。5月1日以降は、月額12ドル99セント、または年額99ドル99セントの通常価格でのダウンロードとなる。
フォスターと何度も協議を重ねた後、アオキは2人の間に、トレーニングや身体へのケアに対する共通哲学があることを発見した。と同時に、自宅やホテルにいながらスタジオでのエクササイズ体験を手軽に味わってもらいたい、と考えた。
「このアプリはみんなのためのもの。とくに、しょっちゅう家を留守にして、手軽にエクササイズしたい人向けのものだ」とアオキ。
アオキが言うには、彼がいま行っているワークアウトはシンプルだという。「都会にいるときは、さっとできるエクササイズがいい。そうすれば、運動した後1日を有効に使えるだろ」と彼は言う。「時にはショウの後、アドレナリンがみなぎっているうちに運動することもある。あるいは、ショウの前に控室でとかね」
彼の基本的なルーティンはこう。まずはスクワットを100回、そのあと腕立て伏せを100回、そのあと腹筋を100回。「この3つが終わったら、1マイル(1.6キロ)走りこむ。そうするとカロリーを燃焼できるんだ」とアオキ。「可能な時は、100回1セットをもう1度やる――朝に1セット、夜に1セットとね」
道具がなくても始められるが、アオキ曰く4つの秘密兵器があれば、旅先でも運動に熱が入るという。
1. トレーニングチューブ
「俺はいつもトレーニングチューブ一式を持ち歩いて、肩や足のストレッチに愛用している。チューブをドアノブにひっかければ、いろんな腕のエクササイズができるんだ。
2. ミニダンベル
「筋肉を活性化させるのには道具が必要だ。そんな時俺は4~5パウンドの小ぶりなダンベルを愛用している。体幹のエクササイズに加えてもいいし、ジョギングと合わせてもいい。ダンベルを持ってジャンピングジャックやランジをやるのもいいね。小ぶりだからスーツケースにも収まるよ」
参考小売価格:Amazon.comで17ドル61セント
3. フィットネスモニターまたはスマートウォッチ
アオキは昨年DIESELと提携し、タッチスクリーン式のファッション用スマートウォッチを開発した。「フルガード2.5」と名づけられたその時計は、心拍数やカロリー、走行速度や走行距離を記録してくれる上、腕元で音楽を選曲することも可能。市場に出回っているほかのモデルとの違いは、モールドがラバーやシリコン製ではなく、アルマイト・アルミとステンレススチール仕上げであること。レザーやデニムのストラップにカスタマイズすることもできる。「俺のDieselウォッチで、トレーニング内容を全部モニターしているんだ」とアオキ。「血圧がちゃんとしているか、確かめることもできる」
4. 鉄板プレイリスト
アオキがエクササイズ用にプレイリストを作成していると知っても、なにも驚くことではない。SVN Sound製ヘッドフォンのアンバサダーを務める彼いわく、最近のお気にいりはノルウェーのシンガーDagnyとコラボレーションした「Hit Your Heart」だそうだ。
アオキが言うには、1日の終わりに重要なことは、汗を流した場所、使った道具、耳にした音楽ではなく、自分がどれだけ時間を割いたか、ということだという。
「最近はみんな忙しく動き回っているから、運動はつい忘れがちだ」と彼は言う。「どこにいようと、何をしようと関係ない。ただやりたいと思うことが大事なんだ。そういう習慣をつけることが重要なんだよ」