4人組ラウドロックアイドルユニットPassCode――サウンドや立ち位置的にはモーニング娘。19の対極に位置するグループだが、実はメンバーの大上陽奈子はモーニング娘。
10期オーディションの最終審査まで残ったことがある強者だ。MIKIKO率いるダンスカンパニーelevenplay所属のKOHMENを振付師に迎えているグループのメンバーとしての経験も交え、モーニング娘。19の魅力を独自の視点で語ってもらった。

同業者が見たモー娘。ライブの凄さ

モーニング娘。さんにハマったきっかけは、小学校5年生くらいのときに、いとこがCDレンタル屋さんでモーニング娘。さんのCDを借りて来たときです。その頃はいわゆるプラチナ期と呼ばれる時代だったんですけど、いとこが借りてきたのは4th『いきまっしょい!』(2002年)だったんです。それを聴きながらアイドルごっこをするようになって、振り付けを覚えてみることにしたんです。それで動画サイトでMVとかを見ているうちに「かわいい!」って。

初めて生でライブを観たときは「本当に存在してる!」と思いましたね。そのときは10期メンバーが加入したタイミングで、私はモーニング娘。
さんの10期オーディションに応募していたんですけど、合宿でライバルだった子たちがモーニング娘。さんの曲を完璧に披露していることにすごく感動しました。悔しさがなかったと言えば嘘になりますけど、ファンとして観に行っていたのでファンの気持ちで応援していました。

PassCode大上陽奈子が語るモー娘。の魅力「練習量と練習の仕方に工夫がある」

在宅時代に「めちゃくちゃ頑張って集めた」というトレーディングカード。全種類揃っているという。初期メンバーから順番に並べられているところからもモーニング娘。に対する愛情が伺える。

合宿は厳しさしかなかったですね(笑)。私は元々モーニング娘。さんの合宿の映像を観るのがすっごく好きで。合宿でみんなが一生懸命に練習している姿を何回も何回も観ていました。よく覚えているのが、振付の夏先生がみんなに腹筋をやらせるんですけど、「これを下ろしたら落ちると思いなさい」って。
それを観て、私は受かりたいって気持ちがめちゃくちゃあったから「こんなんへっちゃらや」って思ってたんですけど、実際にやってみたらキツすぎて、「ああ、こういうことやったんや」って。気持ちも大事だけど、気持ちだけでは難しいところもやっぱりあるんだなって思いました。あと、合宿中はレッスンの時間が決まっていてそれ以外は自由時間なんですけど、ほとんどの子が夜中まで個人練習してました。「みんな本気なんやな」って思った記憶があります。

合宿に参加したことはPassCodeの活動にすごく活きてると思います。PassCodeでも大変なことや練習がしんどいこともたまにあるんですけど、あのときあれだけ合宿で頑張れたからいけるだろうってあのときの頑張りに励まされることはありますね。

モーニング娘。19の凄さ

モーニング娘。19の凄さは、やっぱりパフォーマンス。PassCodeは4人でも振りを合わせるのがすごく難しいんですよ。練習にかなりの時間を割いても、「なんで合わへんねやろ……」って。モーニング娘。
19さんは常に10人前後、今も11人でやっているのにあれだけ揃うっていうのは、練習量と練習の仕方に工夫があるんじゃないかと思っています。

私は位置を取るのがすごく苦手なんですけど、モーニング娘。19さんのフォーメーションダンスはなんであんなに位置がキレイに揃うんでしょうか。しかも自分の足元をちらっとも見てる感じがしないじゃないですか。どうやって練習してるんだろう? ホンマに全然分からない……。PassCodeに入る前は、振り付けを覚えるほうが大変なのかなと思ってたんですけど、位置を覚えるほうが難しいですね。

あと、モーニング娘。19さんもそうですし、ハロー!プロジェクト所属のグループのライブを見ていて思うのは、リズムがすごく正確なんです。みんなビートをちゃんと刻めている。しっかりリズムの訓練がされていて、だからこそ大勢いるのにまとまったライブができるのかなと。PassCodeもリズムについてスタッフさんに指摘されることが多いんですけど、なかなか……。

あと、たまにライブ中に軽くやっているように見えるメンバー同士の触れ合いって言うんですかね。
肩を叩いたりとか、目線を合わせたり。ああいうのってさらっとやってるように見えて、実は元々のパフォーマンスが完成していないとできないことだっていうのはすごく感じます。ああいうのってレア感があるし、すごく自然な雰囲気だから見ていてファンも楽しいし、私もグループに入ったらやってみたいと思っていたんですけど、実際はパフォーマンスに必死になっちゃう。アドリブって基礎がしっかりしていないと無理なんやなって分かりましたね。やっぱり、練習量が違うんでしょうねぇ……。

長い時間ライブをしていると体力を消耗するじゃないですか。でもモーニング娘。19さんって少しも手を抜いていないんですよね。そういうことを私もPassCodeのライブ中にしんどくなったときに思い出したりします。「あ、ここで力を抜いてはいけない!」って。

大上陽奈子の推しメン遍歴

私の推しメンは加護ちゃんからはじまって、亀井絵里さん、鞘師里保さん、そして今は牧野真莉愛ちゃん。PassCodeのメンバーの南菜生も牧野真莉愛ちゃんが推しメンで、推し被りしてるんです。
真莉愛ちゃんの魅力は”ザ・アイドル”なところ。見せ方を分かってらっしゃる。かわいいと美しいの2つを兼ね備えているところがすごく好きです。

PassCode大上陽奈子が語るモー娘。の魅力「練習量と練習の仕方に工夫がある」

知人から譲り受けたという、インディーズ・シングル「愛の種」発売時のポストカード。初期メンバー全員のサイン付きという超お宝だ。「モーニング娘。」と書いたメンバーが誰なのかが気になるところ。

でも、ライブでは佐藤優樹ちゃんにも注目してしまいます。最近、進化してきてるなって。セクシー感がすごく増しているというか、ライブごとに毎回違うパフォーマンスをしてくれるんですよね。楽しんで歌ってるというか、良い意味で音楽で遊んでる感じが出てる。年下なんですけど、「ほんまに年下なのかな?」と感じます。

モーニング娘。
19はめっちゃ長いこと続いてるグループじゃないですか。だから歴代メンバーの数も多いですけど、これまでいた先輩に負けないくらいの個性を出していこうと現メンバーが頑張っていて、それがずっと続いていくのが見ている人にとって面白いし、だからこそ進化しているんじゃないかなと思います。私もオーディションを受けたときに思ったし、これまで新しく加入したメンバーもそうだと思うんですけど、「今までにいなかったようなメンバーになりたい!」ってすごく思ったんです。これは新しくできたグループでは湧いてこない気持ちだと思いますね。だからこそ見ていて飽きないし、新メンバーが入ってきても「新しい!」と受け入れられるんだと思います。

大上陽奈子
1998年6月22日生まれ。大阪府出身。4人組ラウドロックアイドルユニット、PassCodeのメンバー。モーニング娘。の10期と11期の新メンバーオーディションに参加し、10期では最終選考まで残った実力者。2019年4月にはPassCodeのメジャー2ndアルバム『CLARITY』がリリースされた。

「VERSUS PASSCODE 2019」
8月23日(金)東京・TSUTAYA O-EAST
ゲスト:後日発表
8月25日(日)愛知・DIAMOND HALL
ゲスト:後日発表
8月31日(土)大阪・なんばHatch
ゲスト:後日発表

「CLARITY Plus Tour19-20」
10月9日(水)東京・マイナビBLITZ赤坂
10月20日(日)香川・高松MONSTER
11月1日(金)広島・CLUB QUATTRO
11月2日(土)福岡・スカラエスパシオ
11月9日(土)岩手・盛岡Club Change Wave
11月10日(日)宮城・仙台Rensa
11月16日(土)新潟・LOTS
11月17日(日)石川・金沢EIGHT HALL
11月24日(日)兵庫・神戸Harbor Studio
12月7日(土)大阪・なんばHatch
12月13日(金)愛知・DIAMOND HALL
12月21日(土)、22日(日)北海道・札幌PENNY LANE24
2020年1月12日(日)、13日(月・祝 )東京・新木場STUDIO COAST
https://passcode-official.com/
編集部おすすめ