プレビュー公演が始まるのは2月7日で、オープニング・ナイトは3月5日に予定されている。
『Girl from the North Country』はボブ・ディランのレパートリーを網羅した作品だが、舞台は1934年のミネソタ州ダルースとなっている。これはディランが生まれた町で、彼は7年後の1941年に誕生している。賄い付きの下宿屋を営む家庭崩壊した家族が主人公で、この下宿屋がボクサーや下品な牧師といった奇天烈なキャラクターが行き交う途中駅の役割を担う。
このミュージカルの準備が始まったのは2013年で、ディランと彼のスタッフたちがプロジェクト参加を承認したあとのことだ。ディランのスタッフに近い関係者がローリングストーン誌に教えてくれたところによると、この作品でディランの人生を題材にしたくはなかったと言う。これが『Girl from the North Country』となった理由で、この作品はアイルランド人脚本家コナー・マクファーソンが書き上げた。
『Girl from the North Country』の時代背景を世界大恐慌に設定した理由をマクファーソンが教えてくれた。「時代設定をボブが生まれる前にすることで、彼や60年代のイメージから完全に切り離したかった。これによって、ボブがこの世に誕生して、すべてが変わったことが、キリスト降誕劇みたいな感じになるんだ」と。
ブロードウェイ版『Girl from the North Country』は、オフブロードウェイのパブリック・シアター公演に出演していた俳優を含む大掛かりのものとなるだろう。出演者は、トニー賞にノミネートされたマーク・クディスとデヴィッド・ピトゥ、エミー賞受賞者でありオスカーにもノミネートされたメア・ウィニンガムなど。マクファーソンは舞台監督も務める。
『Girl from the North Country』はディランのミュージカルでブロードウェイに上がった2本目の作品となる。前回はトワイラ・サープの衝撃作『The Times They Are a-Changin(原題)』で、この作品が閉幕したのは今からたった3週間前のことだ。