キレキレのダンスとクールな美貌。モー娘。のなかでは「可愛い」というより「カッコいい」を体現する彼女だけに、グラビア満載の写真集はある種サプライズだった。
ROCK IN JAPAN FESTIVALのメインステージ出演が象徴するように、もはやモーニング娘。19はアイドルを超越した存在だが、こうしてアイドルの王道をきちんと示してくれるのもファン的にはうれしいところ。昨年の単独インタビュー以来となる加賀に話を聞いた。
ー写真集の発売を告知するYouTube動画のコメント欄を見たら、女性ファンの書き込みがすごく多くて。皆さんめちゃくちゃ興奮してました(笑)。
自分はこれまでカワイイって言われたことがあまりなかったというか、性格も可愛らしい感じじゃないので、なんかヘンな感じです(笑)。
―ライブでも女性ファンからの声援が多いんじゃないですか?
他のメンバーに比べると女性のファンの方は多いと思います。自分は鞘師(里保/元モーニング娘。9期メンバー)さんみたいに同年代の女の子から憧れる存在になりたい!っていう理由でオーディションを受けたので、そういうふうに言っていただけると目標が達成されつつあるのかなと。
―写真集の話が決まったのはいつ頃?
春ツアーの途中ですね。本番の準備をしてたら「(写真集)出すよ!」って言われて「あっ! は、はい!」みたいな。ビックリしました(笑)。で、撮影は8月末に沖縄で。
―モー娘。のメンバーはこれまでに写真集をたくさん出してますけど、加賀さんはアイドルの写真集って見ますか?
見るようになったのはモーニング娘。に入ってからですね。他のメンバーが写真集にサインを書いてる時にちょっと見せてもらったり。
―じゃあ、ご自身が写真集を出すとなった時、どんな準備をしましたか?
単純に「頑張って痩せよう!」と思いました(笑)。自分は骨格的にも丸顔なので、とにかく頑張らなきゃいけないと思って。撮影は2日間だったんですけど、1日目が終わった後、宿泊先のホテルに美容用の酸素カプセルみたいなのが置いてあって、お試しで1000円でやってみたんです。そしたら疲れがさっぱり取れたのか、次の日ビックリするくらい調子が良くて。
―撮影以外で体を鍛えたりとかはしてます?
たまに行きます。曲のタイプが変わってきたこともあって、最近のモーニング娘。のツアーは回を重ねるごとにハードになってきてるんですよ。なので体力をつけるっていう意味でジムに行ったりしてます。でも1カ月に1~2回です。あまり多く行きすぎると筋肉痛が続いてしまって本番の時に全然動けなかったりするので。
―水着もそうですけど、グラビア撮影だと肌の露出がありますよね。
普段はあまりスカートを履かないこともあって、露出することにまず慣れなくて。(肌を見せることに)抵抗があったわけではないんですけど、まずはそこに慣れるところから始めました。
―なるほど。
そうですね。
―慣れてからは平気な感じでした?
はい。ポンポンポンポン……ですね。
―(笑)おそらくグラビア的なのは初ですよね?
初めてです! 水着もこれが初めて!
初のグラビア撮影の感想は?
―初のグラビア撮影の感想は?
パンフレットの撮影の時はアイドルっぽく可愛くピースしたりとか、そういうポーズが多かったので、グラビアの時はどうしたらいいんだろう?と最初は思いました。写真集をたくさん出してる譜久村(聖)さんや牧野(真莉愛)さんとか見てると、こういう撮影の時に目線をどこにやればいいのかがすぐ分かるんですよ。自分は一つひとつ教えてもらいながらやりました。

Photo by Yoko Yamashita
―浴衣を着たカットもあるんですよね。
写真集で浴衣っていうのもなかなかないですよね。しかも沖縄で。
―全部が初めて見る加賀さんです!
私も初めて見ます(笑)。
―ステージの上とはまったく違う世界ですけど、表情の作り方とかポージングの部分で何か刺激はありましたか?
可愛い顔よりもカッコいい顔のほうが得意で自分でも好きなので、ライブではそっちの顔が多いんですけど、写真集の撮影では自然体っていうんですかね。その表情が新しかったです。「自然に笑って」って言われて、いざやるとなるとなかなか難しくて。
―カメラマンの根本好伸さんはハロー!プロジェクトまわりの写真集をたくさん撮られているベテランの方ですよね。
私が慣れていないということもあって、ポージングや表情などたくさん教えてもらいました。フィッテングの時も衣装の話とかいろいろとさせてもらって、初めてお仕事でご一緒させていただいたんですけど、この撮影を通して距離が縮まった気がします。
―ちなみにモー娘。の他のメンバーは写真集を見ました?
はい。みんなで一斉に見てたんですけど「このカットいいね!」ってたくさん言ってもらえました(笑)。そのなかでも表紙の水着のカットが特に反応がよくて、スタッフさんも自分も気に入っていたので即決で表紙に決まったんです。フロントの編み(レースアップ)がすごく可愛くて(amazon限定版に使用された表紙カット)。

Photo by Yoko Yamashita
―女性のセクシーさってカッコいい感じもあれば、甘い感じもあるけど、加賀さんが考えるセクシーさってどういうものですか?
男性じゃなくて女性じゃないと表現できないものってめちゃめちゃあると思ってて、そのなかでも私は目ですかね。
―モー娘。メンバーの目もそれぞれ違いますよね。
譜久村さんはそれこそ色っぽい目だと思うし、石田(亜佑美)さんは一言で表すと可愛らしい目ですし、佐藤(優樹)さんはすごく鋭い気がするんですよね。目の形状的にも性格的にもシャープな感じというか、鋭い目の持ち主だと思います。
ー二十歳の誕生日に発売される写真集ですけど、そういう意味でも特別なものになったんじゃないですか。
撮ったのは誕生日(11月30日)の前だから、撮影中は二十歳という感覚はそんなになかったんですけど、そんな時期の自分を今後も楽しんでもらえればと思います!
ROCK IN JAPAN FESITVALのメインステージに立ってみて
ーRolling Stone Japan vol.06で「モーニング娘19のライブの舞台裏」という特集をやったのですが、
これみんなで読みました!
ーありがとうございます!
皆さんこんなふうに考えてるんだ~と思って、すごく面白かったです!
―BiSHのリンリンさんにモー娘。
恥ずかしいです! BiSHさん大好きなので! 恥ずかしい……!
―モーニング娘。19の2019年のハイライトの一つが、ROCK IN JAPAN FESITVALのメインステージ(GRASS STAGE)に立ったことだと思うんですよね。
めっちゃ緊張しました! GRASS STAGEに決まった時点ですごく嬉しかったんですけど、あれだけの規模のステージでライブをしたことがなかったので、未知数の部分もたくさんあって。リハーサルは順調に進んだとはいえ、本番前になって「どれくらいお客さんが来てくれるんだろう? もし少ししか入ってなかったらどうしよう?」って不安や緊張もあって、泣いちゃうメンバーもいたんですよ。
でも、いざステージに立ってみたら大勢のお客さんが集まってくださって、楽しくて終始ニヤニヤしてしまって。しかもあの気温! 私、汗はそんなにかかないほうなんですけど、かくこと自体はすごく好きなので、めっちゃ暴れて踊って汗だくになるんだ!という気持ちで、思い切りやりました。ステージの最後のほうは足も動かないくらいで、全力を出し切った達成感のあるライブでした。

Photo by Yoko Yamashita
―ステージから見る景色も凄そうですね。
ステージから見て端っこの方にグッズの売り場があったんですよ。何かのグッズを買い終わった後、走ってこっちに来てくれる女の子の二人組をたまたま見たんですけど、うれしかったです。「来てくれた!」って。
―しかもあの時はまだ15期メンバーはステージにいなかった。
はい。11人でしたね。
―そんな大舞台を経て、15期メンバーお披露目となった夏コンで14人体制のステージを観たんですけど、新しく入った3人が違和感なく溶け込んでいて驚きました。
でも、加入した当初は今考えると想像できないくらいダンスができなかったんです。先生や先輩からのアドバイスを聞いて、本人たちがすごく練習をして頑張ってくれたからだと思います。本番も緊張していたはずだけど、笑顔で踊っていたし。その結果、あそこまでの一体感になったのかなと思います。
―15期が入ったことでのケミストリーというか、そういう変化ってツアーを通して体感したりします?
MCで3人がしゃべってるのを見ると、印象ってどんどん変わってくるし面白いんですよね! 3人とも個性が強いというか天然なところもあって、小田(さくら)さんとかがツッコんでるのを見ると、ほんと面白くて。その相乗効果で元々いたメンバーの関係性も変わってきたりして、「新メンバーが入ってくるってこういうことなんだ!」って思いました。
加賀楓とモーニング娘。19の2019年
―ROCK IN JAPAN FESTIVALのメインステージ出演、15期メンバー加入、そしてご自身では二十歳を迎えて初写真集発売と、2019年もいろいろありましたね。
前回インタビューしていただいた去年の11月に比べると、自分自身、人間的にも精神的にも大人になった気がします。環境が変わったことや新しい仕事に挑戦させていただいたことも理由だと思いますが、まだまだできることがたくさんあるなとも思います。
―加賀さんが今トライしてみたいことは何かあります?
ソロで何かしたいというよりは、今のモーニング娘。のライブなどの制作的な部分に関わってみたいです。私たちはセットリストをもらって歌割りをもらってステージングを付けてもらって表現する立場なのですが、その中で1からいろんな人の意見を聞いた上でより深く関われたらいいなと思ってます。
―面白そうですね。
アンジュルムの勝田里奈さんが卒業される前にツアーの衣装案を一つ出させていただいたって話をしてたじゃないですか。そういうのを聞くと、私もやってみたいと思います。
―前回のインタビューでは「一生懸命になりすぎて、精一杯になってしまうのが課題です」「先輩に追いつこうってところで止まってしまっているので、見た人に『これがかえでぃーのダンスだよね』って思われるように、これからは自分の個性を出していきたいです」と語ってくれましたが、1年経ってみてどうですか?
いま思うと昔の自分は、鞘師さんに憧れていて、鞘師さんが踊ったダンスをそのままコピーしよう……それだけだったと思うんです。でも最近はいろいろ研究してオリジナルなものを作るということがどういうことか、ようやくわかるようになってきました。ハロプロ研修生の時は思考回路が単純というか、視野が狭くて自由に考えれなかったんですけど、今は例えば振付が揃ってなくても「それって個性だよね?」って考えられるようになった。振付を揃える方法は一つだけじゃないので、一つの問題を解決するためにするべきことって実は順序立てて考えればいいんだってことに気づいて、自分の中で引き出しが増えた気がします。
―ハロー!プロジェクト全体で言うと、今年は新鋭BEYOOOOONDSの躍進があったり、アンジュルムも変化とともにこれまで以上に注目を集めたりと、グループ同士の活動が活発になってきてると思いますが、モーニング娘。19の一員としてはどうでしょう?
各グループで卒業と加入がある中で、モーニング娘。は2019年は新メンバー加入だけで卒業はないじゃないですか。そうじゃない部分で、もっと変わるべきところを見つけなきゃと思います。メンバー編成が変わるっていうのは、大きな変化の一つではあるんですけど、変わる方法ってそれだけじゃないと思うので。メンバーそれぞれどう変わろうとしてるのか私にはわからないですけど、私たちは14人いるわけですからまとまったら大きな力になりますよね。他のグループと比べて「変化」という点でも負けないようにしたいなと思います!

Photo by Yoko Yamashita
<INFORMATION>
加賀楓 モーニング娘。19 ファースト写真集
『楓』
11月30日発売
仕様:A4判・全128ページ
メイキングDVD付き(約33分収録)
¥3,100(税込)
撮影:根本好伸
発行・発売:オデッセー出版
販売:ワニブックス
通常版

amazon限定版

http://www.helloproject.com/morningmusume/