フリートウッド・マックの創設メンバーでギタリストのピーター・グリーンが亡くなった。享年73。


ピーター・グリーンの家族はBBCでの声明で彼の死を認めた。「ピーター・グリーン氏のご家族は深い悲しみをもって、この週末、彼が安らかに眠りについたことをお伝えします。近日中にさらなる声明を発表する予定です」

グリーンは1998年にロックンロールの殿堂入りを果たしたフリートウッド・マックの8人のメンバーの1人であり、ブルース・ギタリストとしてローリングストーン誌による「史上最高のギタリスト100選」の58位に選ばれている。

【動画】ピーター・グリーンと初期フリートウッド・マックの名演を振り返る

1946年ロンドン生まれ。エリック・クラプトンの後任ギタリストとしてジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズに加入したあと、1967年にドラマーのミック・フリートウッドらとフリートウッド・マックを結成。彼は全英チャート1位を記録した「アルバトロス」や、サンタナがカバーした「ブラック・マジック・ウーマン」の作曲者としても知られる。

ロンドン生まれのブルース・ギタリストは、1965年にジョン・メイオール&ブルースブレイカーズでエリック・クラプトンの後任に抜擢されたのがキャリアの出発点だった。「彼は現時点でクラプトンより優れているとは言えないかもしれない。でも待ってくれ……彼は最高のアーティストになるだろう」とメイオールは当時のプロデューサーに語っていた。

その2年後、ブルースブレイカーズからの盟友でドラマーのミック・フリートウッドと共に自分たちのバンドを結成。それは後に、フリートウッド・マックとして知られるようになった。二人はブルースブレイカーズからもう一人、ベーシストのジョン・マクヴィーを迎え入れている。


グリーンが演奏・作曲の中心を担った初期のフリートウッド・マックは、当時のイギリスにおけるブルース・ロックのブームと共に成長していった。彼らは1968年のセルフ・タイトルのデビュー作を皮切りに、3枚のアルバムをリリースした。

グリーンが作曲した「アルバトロス」はすぐにイギリスのシングル・チャートで1位を獲得し、続くシングル「マン・オブ・ザ・ワールド」も2位を記録した。グリーンは1968年のシングル「ブラック・マジック・ウーマン」も作曲しており、この曲は後にサンタナのヒット曲となる。
この投稿をInstagramで見るFleetwood Mac(@fleetwooddmac)がシェアした投稿 - 2020年 7月月25日午前8時54分PDT
1968年の『ミスター・ワンダフル』に続き、グリーン率いるフリートウッド・マックは1969年に『ゼン・プレイ・オン』をリリースした。しかしその頃から、グリーンの精神状態は悪化し始め、少しして統合失調症と診断され、精神科病院に入院することに。1970年5月、コミューンで静養していたグリーンは、ドラッグを断つことを誓ってフリートウッド・マックを脱退した。

「新聞が歪曲していようが何だろうが、神が私にさせたいことをしなければならないし、何かポジティブな行動を起こさなければならない」とグリーンは当時語っていた。「それが私が世間の目から消えてしまうことを意味するかどうかは心配していない。良い手本を示す方が重要だから」

70年代初頭、グリーンは音楽的に活発な活動を続け、ソロ・アルバム『エンド・オブ・ザ・ゲーム』をリリースし、一時的にフリートウッド・マックのバンドメイトと再会した。しかし、その後の10年間、彼は精神的な病気に悩まされ、1979年までソロ・アルバムをリリースすることはなかった。

今年2月、ミック・フリートウッドはグリーンの功績を記念してトリビュート・ショーを開催。
デヴィッド・ギルモア、ビリー・ギボンズ、ピート・タウンゼント、スティーヴン・タイラー、ニール・フィンなど多くの友人や後進が参加した。

「このバンドを結成したのは私ではなく、ピーター・グリーンだったということを人々に知ってもらいたかったんだ」とミック・フリートウッドはローリングストーン誌に語っている。「そして私は初期のフリートウッド・マックを祝福したかった」

フリートウッドは今年1月の声明で、「ピーターは私の最も偉大な精神的支柱であり、彼の驚くべき才能に敬意を表することができて非常に嬉しいです。ピーターが長年にわたってインスピレーションを与えてきた多くのアーティストたちとステージを共有できることを光栄に思います」と述べている。

ピーター・フランプトンはこの土曜日、このようにツイートしている。「大変悲しいことに、最高のセンスをもったギタリストの一人を失ってしまった。僕はいつも偉大なピーター・グリーンを崇めていた。彼は安らかに眠っていると思う」

グリーンが亡くなる数日前、フリートウッド・マックがギタリストの在籍期間を含む大規模なボックスセットで、バンドの初期を再訪するプランを発表したばかりだった。
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