1995年にシングル『君がいたから』で衝撃のデビューを果たしたFIELD OF VIEW。2ndシングル『突然』がいきなりミリオンヒットを記録し、その後も「Last Good-bye」や「DAN DAN心魅かれてく」、「ドキッなど、ライブを中心にした活動で数多くのヒット曲を残したが、2002年に惜しまれつつ解散。その後一時的な再結成ライブはあったものの、今年デビュー25周年となる記念すべき2020年には何とベストアルバムのリリース、そしてライブツアーの発表を行い、往年のファンを歓ばせた。
今回行われたライブはもともと5月に行う予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で10月に延期。さらなる延期も協議されたがメンバーの強い希望もあり、観客を会場キャパシティの半分だけ入れて、さらに収録したライブの模様を配信するという、ハイブリッド公演となった。
コロナ渦の中、多少規制が緩和されてきたとはいえ、ライブに行くのは"密だから"と、正直足が遠のいてしまっている中、今回、いざ久しぶりにライブ会場に入ると、スタッフのきめ細かな対応が目に入る。そこから、”コロナ前のようにアーティストにもオーディエンスにも安心してライブに参加して欲しい!”といった、強い思いも感じた。入場時の体温チェックはもちろん、座席前列にはフェイスシールド、そしてすべての来場者に問診票が配られていく。スタッフ側のそうした動きに対して来場者もとても協力的で、スムーズに入場が行われていた。ライブ会場という、世間で言うところのネガティブな情報はまったくなく、実際目の当たりにすると、実はどこよりも清潔で安全な対策が取られ、コロナに対してメンバーと会場、そして来場者が三位一体となってライブを成功させるんだ! という空気感に満ち溢れていた。
そんな中、”今回オープニングの演出や照明は、25年前のデビューライブのものを、できる限り再現しています!”というライブスタッフからの事前情報もあり、期待に胸が膨らむ。そしていよいよ開演。
「みなさんこんばんは!令和2年のFIELD OF VIEWです!」というボーカル浅岡の挨拶とともに、会場がとても温かく鳴り止まない拍手に包まれる。もちろんコロナを配慮して一切のコール(声援)はない。しかしコロナ前は当たり前に行われていた、この拍手するという行為。コール(声援)ができない今だからこそ、その気持ちを必死に伝えようとする来場者の一人一人の拍手がこんなにも感動的で会場が一体となって伝わるものなんだということを、再認識させられた。ボーカルの浅岡も思わず込み上げてくるものがあるようで、上を向いたまましばらく動かなかった。もちろん久しぶりに会場に駆けつけたファンの目にも涙がこぼれている。「その拍手でもう十分だよ! 言ってもいいかい? FIELD OF VIEWです!」と何度も噛みしめるかのようにグループ名を連呼する掛け声とともに、次から次へと惜しみなくヒット曲を披露して行く。
その中でも特に印象的な楽曲だったのが、5月に発売されたベスト盤にも収録されている4曲目の新曲「キボウメロディー」。1990年代のビーイングサウンドを支えてきた多々納好夫による作曲で、まさに全盛期のFIELD OF VIEWを彷彿とさせる素晴らしいナンバーで、浅岡曰く、こうした世の中に出ていない楽曲が実はまだまだあるという。
3曲目「夢見続けて今も」、6曲目「everywhere」は今回改めて聞くと、歌詞の世界観がまさに25周年ライブを予言していたかのようで、月日を重ねたから今だからこそさらに感動を増す、とても素敵な楽曲だ。
途中のMCの中でドラムの小橋が"解散してからずいぶん経つのに、いまだに多くの人がFIELD OF VIEWの聞き続けてくれている。いつか自分もずっと恩返しをしたいと思っていました。今回再結成ができて嬉しい。ただこれも浅岡がFIELD OF VIEWが解散してから、ずっとソロで頑張って活動し続けてきたからこそ、今回こういう機会があったわけで、とても浅岡君に感謝しています"というMCが印象的だった。
後半戦も「Last Good-bye」や「DAN DAN心魅かれてく」などのおなじみのヒット曲が続く。ファンも自分の人生と寄り添ってきたこれらの楽曲を心の底から楽しんでいるのがわかる。決して声は出せないが、曲が終わるたびに拍手の大きさがどんどん増して行く。そして何より色褪せない楽曲に加え、当時と変わらないみずみずしい浅岡雄也のボーカルが、会場を一層盛り上げて行く。(もちろん当時と同じキー!)
そしてラストはデビュー曲「君がいたから」。小橋の力強いドラムのビートに、浅岡の語りかけるような優しい歌声、そして徐々にバンドの音が重なり合って、何度聞いても緻密なアレンジで、素晴らしい高揚感を生む楽曲でこの日のライブが締めくくられた。今回のライブのメンバーで、FIELD OF VIEWのオリジナルメンバーはボーカルの浅岡雄也とドラムの小橋啄人の二人だが、FIELD OF VIEW、そして数々の1990年代のヒット曲のアレンジを手がけてきた葉山たけし(gt)と、アマチュア時代も入れると30年来の付き合いの徳永暁人(ba)含め錚々そうたる顔ぶれで行われた。
このライブの模様は22日から配信がスタートするが、配信用特典映像として当日ライブ終演直後の楽屋でのトークもあるとのこと。
文:ペリー今村
<イベント情報>
FIELD OF VIEW
「25th Anniversary Special/観客限定&配信Live」
2020年10月15日(木)新宿ReNY
配信開始日:10月22日(木)20:00~10月29日(木)23:59で配信終了。
金額:4000円
購入方法など/詳しくはこちら:https://ima-ticket.com/event/175
この配信Liveは2020年10月15日(木)に東京/新宿ReNYで行われたライブの模様を収録したものになります。
(本編最後には、配信用特典映像として、当日ライブ終演直後の楽屋でのトークもお届けします!)
FIELD OF VIEW Official Website:https://fieldofview.jp